平田機工、生物遺伝資源研究で奈良先端大「KNApSAcK Core」商業利用許諾を取得

■奈良先端大発の天然物データを活用し、解析の実用性と付加価値を向上

 平田機工<6258>(東証プライム)は10月20日、国立大学法人奈良先端科学技術大学院大学の金谷重彦教授が構築した天然物化合物および生物情報データベース「KNApSAcK Core(ナップサック コア)」の商業使用許諾を日本で初めて取得したと発表した。生物遺伝資源の研究開発を新規事業領域として推進する同社は、本許諾を通じ、受託分析サービスに科学的根拠に基づく高付加価値を提供する体制を整える。

 同社はGC-MSやLC-MSによる受託分析および多変量解析サービスを展開しており、今回の許諾取得により、取得データとKNApSAcK Coreに収録された情報を統合した分析レポートを作成可能となる。これにより、測定結果に科学文献データを組み合わせた解釈・考察を付与でき、サービス利用者の実用性と信頼性を向上させる狙いがある。KNApSAcK Coreは2万4000種超の生物情報と6万3000件の代謝物データを関連付けて収録しており、世界中の研究者が活用する天然物研究基盤の一つである。平田機工の分析技術との連携により、産業応用に資する高度な解析提供が可能になるとみられる。

 今後は、受託分析サービスにおける新たなオプションとして、仮称「KNApSAcK Coreサーチ」の提供を計画している。これにより、同社は生物遺伝資源分野での研究支援を強化し、解析事業の競争力を高める方針だ。本件が業績に与える影響は現時点で未定としているが、必要に応じて開示を行うとしている。同社は生産システムや産業用ロボットを主力とするが、新事業としてライフサイエンス領域への展開を進めており、今回の商業使用許諾はその基盤拡充の一環に位置づけられる。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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