IHI、農業向け「配水支援ツール」情報サイトを公開、水管理の効率化と負担軽減を実現

■水量の可視化と最適配分提案で農業現場を支援、土地改良区業務のデジタル化推進

 IHI<7013>(東証プライム)は10月31日、農業地域での水管理を効率化する「配水支援ツール」に関する情報提供サイトを新たに公開した。同ツールは農業用水の配水量を可視化し、最適な水配分を自動で提案する仕組みであり、現場の業務負担を大幅に軽減する。基幹的な農業水利施設での配水過不足をリアルタイムで把握し、調整案を提示することで、精度の高い水管理を可能にする。

 2024年度には滋賀県内の土地改良区で実証試験を実施し、同ツールの有効性を検証した。管理目標水量に対する供給水量の差を可視化した結果、目標どおりの配水が実現。送水依頼件数は39%削減され、土地改良区職員の現場対応負担が軽減された。加えて、配水調整方針の策定を事務所内で完結できるようになり、遠隔操作の頻度向上に伴い車両運転距離は19%削減。燃料費の節約にもつながり、業務効率と環境負荷の両面で成果を上げた。

 同ツールは農地条件に応じた管理目標水量を設定し、水管理システムの記録データや水源情報を基に供給水量を算出する。用水路系統図を画面上に表示し、配水不足エリアを赤色で強調することで全体状況を直感的に把握可能とした。用途別・水源別のグラフ表示にも対応し、支線単位での詳細確認が行えるほか、配水推定結果に基づく調整案提示機能により、経験の浅い職員でも熟練者と同等の判断が可能になる。IHIは今後も水資源マネジメントやスマート農業分野での技術開発を進め、農業の持続的発展に貢献していく方針である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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