【どう見るこの株】いよぎんHDは業績上方修正、増配、自己株式取得のトリプルセット株人気再燃

 いよぎんホールディングス<5830>(東証プライム)は、前日10日に41.5円高の2361円と反発して引け、取引時間中には2370円と上値を伸ばす場面もあり、今年11月6日につけた上場来高値2476円を視界に捉えた。同社株は、前週末7日の取引時間中に今2026年第2四半期(2025年4月~9月期、2Q)累計決算とともに、今期通期業績の上方修正と増配、自己株式取得のトリプル材料を発表し、株価は、日経平均株価が607円安と大幅反落したことも重なり、材料出尽くしとして急落したが、この日は一転し売られ過ぎとして下値にバリュー株買いが再燃した。地元の四国でいまや日本の造船業のコアとなった瀬戸内造船向けなどに積極展開している船舶関連戦略が、高市内閣でAI・半導体、造船など17分野を重点として推進する成長戦略の追い風を受けるとも期待されている。

■減益予想が増益転換して連続の過去最高純益更新

 同社の今2026年3月期業績は、今年8月に今期2Q業績を上方修正し、その2Q業績が、その上方修正値を上ぶれて着地したのを受けて3月期通期業績を上方修正した。経常収益を期初予想より210億円、営業利益を150億円、純利益を145億円それぞれ引き上げ、経常収益2420億円(前期比4.4%増)、営業利益885億円(同18.0%増)、純利益660億円(同23.8%増)と見込み、期初の減収減益予想が連続増収増益率を伸ばし、純利益は連続して過去最高を更新する。経常収益は、政策保有株の売却益に有価証券の運用収益増、さらに「基幹系システム高度化推進に係る計画変更」の和解金60億円を特別利益に計上したことなどが要因となった。

 業績上方修正に伴い今期配当は、期初予想の年間50円を60円(前期実績45円)に引き上げ連続増配幅を拡大させる。自己株式取得は、上限の取得株式総数を500万株(発行済み株式総数の1.70%)、取得総額を70億円、取得期間を今年11月11日から来年1月16日までとして実施する。

■25日線にサポートされPER10倍、PBR0.8倍の修正に再発進

 株価は、今年8月の今期2Q累計業績の上方修正で1900円台に乗せて25日移動平均線が75日移動平均線を上抜くゴールデン・クロス(GC)を示現して上昇トレンド転換を示唆して、その25日線をサポートラインに上値を追い上場来高値2476円まで買い進まれた。トリプル材料発表では材料出尽くしとして2319.5円と反落したが、即リバウンドしそれでもPERは10.4倍、PBRは0.86倍となお売られ過ぎが明らかである。上場来高値奪回から上値チャレンジが続こう。(情報提供:日本インタビュ新聞・インベストメントナビゲーター:株式投資情報編集長=浅妻昭治)

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