ヒーハイスト、直動機器需要拡大を追い風に27年3月期の収益回復基調鮮明、採算改善加速

 ヒーハイスト<6433>(東証スタンダード)は小径リニアボールブッシュの世界トップメーカーである。工作機械や半導体製造装置等に使用される直動機器を主力として、精密部品加工やユニット製品も展開している。成長戦略としては自動化関連の需要増加に対応するため、直動機器「スマート生産プロジェクト」や開発投資を推進している。なお11月18日には、東京エレクトロンデバイスが実施した「【画像処理マスターへの道】高度位置決め実験レポート」に同社の超精密XYθステージが使用され、実証実験結果が公開されたとリリースしている。26年3月期は需要回復遅れなどで業績・配当予想を下方修正したが、中長期的には直動機器の需要拡大が予想され、積極的な事業展開で27年3月期の収益回復を期待したい。株価は10月の高値圏から急反落し、さらに下方修正も嫌気して急落したが、売り一巡して出直りを期待したい。

■小径リニアボールブッシュの世界トップメーカー

 小径リニアボールブッシュの世界トップメーカーである。リニアボールブッシュは機械装置の稼働部に用いられる部品で、金属と金属の接触面を鋼球が転がりながら移動することで摩擦による影響を低減し、機械装置の寿命を延ばす役割を担っている。独自の球面加工技術や鏡面加工技術をコア技術として、工作機械や半導体製造装置等に使用されるリニアボールブッシュや球面軸受けなどの直動機器、レース用部品や試作部品の受託加工などの精密部品加工、液晶製造装置向けなどのユニット製品を展開している。成長戦略としては自動化関連の需要増加に対応するため、直動機器の「スマート生産プロジェクト」の一環とする設備投資や開発投資を推進している。

 25年3月期の部門別売上高は直動機器が13億65百万円、精密部品加工が6億80百万円、ユニット製品が1億98百万円、主要販売先別売上高はTHK<6481>が11億73百万円、本田技研工業<7267>が6億16百万円、その他が4億56百万円だった。収益面では産業機械・電子部品・自動車関連の設備投資動向の影響を受けやすく、設備投資関連のため四半期業績が変動しやすい特性もある。

■生産能力向上と採算性向上を推進

 経営ビジョンには「リニアブッシュ・アジアNO.1」を掲げ、自動化関連の需要増加に対応するため、直動機器の「スマート生産プロジェクト」の一環とする設備投資や開発投資を推進している。

 中期経営計画(毎期ローリング方式、24年3月期~27年3月期)では、27年3月期の計画値として売上高28億63百万円、売上総利益6億27百万円、売上総利益率21.9%、営業利益1億39百万円、営業利益率4.9%を掲げている。株主還元については27年3月期までに配当性向20~30%に強化する方針としている。また25年3月末より株主優待制度を新設した。

 事業戦略としては、設備投資・生産数量の確保による安定生産、人的資本投資等への成長を継続する。また製品群の見直し(スクラップ&ビルド)として低採算製品からの撤退を検討し、リソースを高収益製品に集中することで採算性向上を推進する。なお25年3月にはマレーシア市場の開拓、ステージのメカニカルおよび電気制御の技術的な相互補完を目的として、マレーシアのMIRAI社とパートナーシップ契約を締結した。

 24年4月には人的資本経営の一環および株式市場での流動性向上を図ることを目的として、社員持株会の奨励金付与率を現行の5%から50%に引き上げた。24年6月にはヒーハイストCSR活動方針を策定した。24年8月には埼玉県の多様な働き方実践企業におけるプラチナランクの認証を受けた。24年11月には埼玉県SDGsパートナーとして登録された。25年1月には秋田県SDGsパートナーとして登録された。25年8月には埼玉県の健康経営実践事業所として認定された。25年9月には健康保険組合と協力して健康企業宣言を行った。

 25年8月には、下請法の改正法として26年1月から施行される中小受託取引適正化法に関して、関係キーマン数十名がセミナーを受講し、対応を確認した。25年10月には、早稲田大学、テムザック、村田製作所、SREホールディングスが、日本のヒューマノイドロボット産業の再興を目指す新団体として設立した一般社団法人KyoHA(京都ヒューマノイドアソシエーション)に参画した。

■26年3月期は下方修正だが27年3月期収益回復期待

 26年3月期連結業績予想(25年11月12日付で下方修正)は、売上高が前期比28.6%減の16億03百万円、営業利益が2億16百万円の損失(前期は1億21百万円の損失)、経常利益が2億95百万円の損失(同1億89百万円の損失)、親会社株主帰属当期純利益が3億40百万円の損失(同2億03百万円の損失)とした。配当予想も修正して無配とした。

 前回予想(25年5月15日付公表値、売上高24億86百万円、営業利益68百万円、経常利益57百万円、親会社株主帰属当期純利益34百万円)に対して、売上高を8億83百万円、営業利益を2億85百万円、経常利益を3億53百万円、親会社株主帰属当期純利益を3億75百万円、それぞれ下方修正した。産業用機械関連の需要回復には時間を要する見込みだ。

 中間期の連結業績は売上高が前年同期比21.3%減の8億46百万円、営業利益が1億42百万円の損失(前年同期は74百万円の損失)、経常利益が1億76百万円の損失(同74百万円の損失)、親会社株主帰属中間純利益が2億19百万円の損失(同58百万円の損失)だった。

 計画(25年5月15日付公表値、売上高11億26百万円、営業利益8百万円の損失、経常利益13百万円の損失、親会社株主帰属中間純利益8百万円の損失)を下回り減収・赤字拡大した。主力の直動機器の需要回復遅れなどが影響した。部門別売上高は、直動機器が産業用機械関連の需要回復遅れや中国市場の受注停滞継続の影響で21.3%減の5億46百万円、精密部品加工がレース用部品のレギュレーション変更に伴うスケジュールの遅れで40.5%減の1億70百万円、ユニット製品が真空関連装置向けステージ製品の増加や中国市場の医療用分析機器および半導体関連装置向け球面軸受の増加で35.6%増の1億30百万円だった。

 全社ベースの業績を四半期別に見ると、第1四半期は売上高が4億64百万円で営業利益が49百万円の損失、第2四半期は売上高が3億82百万円で営業利益が93百万円の損失だった。

 26年3月期は減収・赤字予想で配当も無配としたが、中長期的には直動機器の需要拡大が予想され、積極的な事業展開で27年3月期の収益回復を期待したい。

■株主優待制度は毎年3月末対象、25年3月末より実施

 株主優待制度については25年3月末より実施したが、25年11月12日に内容変更(詳細は会社HPを参照)を発表した。26年3月末については1000株以上保有株を対象にデジタルギフト5000円分、27年3月末以降は毎年3月末日時点で1000株以上を1年以上保有している株主を対象にデジタルギフト5000円分を贈呈する。

■株価は売り一巡

 株価は10月の高値圏から急反落し、さらに下方修正も嫌気して急落したが、売り一巡して出直りを期待したい。11月26日の終値は331円、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS451円86銭で算出)は約0.7倍、そして時価総額は約21億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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