ティムコ、熊撃退スプレー「熊一目散」発売を材料視して急動意、26年11月期は収益改善へ

 ティムコ<7501>(東証スタンダード)は、フィッシング用品およびアウトドア用品の企画・開発・販売を展開している。フィッシング用品分野ではフライフィッシングのパイオニアであり、アウトドア用品分野ではオリジナル衣料ブランドFoxfireを主力としている。また安全性と実用性を兼ね備えた国産の熊撃退スプレー「熊一目散」を販売(25年5月発売)している。25年11月期は気候要因の影響などで赤字予想だが、積極的な事業展開で26年11月期の収益改善基調を期待したい。株価は熊撃退スプレーを材料視して急動意の形となった。目先的には乱高下する可能性もあるが上値を試す展開を期待したい。

■フィッシング用品およびアウトドア用品の企画・販売

 フィッシング用品(ルアーフィッシング用品、フライフィッシング用品)およびアウトドア用品(アウトドア衣料・用品)の企画・開発・販売事業を展開している。

 フィッシング用品の分野では、日本では歴史の浅いフライフィッシングのパイオニアであり、竿から衣料品に至るまで全てのフライ用品を取り扱う唯一の企業であることなどを特徴・強みとしている。アウトドア用品の分野では、自社オリジナルブランドのアウトドア衣料ブランドFoxfireを主力としている。

 24年11月期のセグメント別売上高はフィッシング事業が8億02百万円、アウトドア事業が23億89百万円、その他(不動産賃貸収入)が19百万円、セグメント別利益(全社費用等調整前営業利益)はフィッシング事業が54百万円、アウトドア事業が92百万円、その他が12百万円、全社費用等調整額が▲1億89百万円だった。

 全社ベースの売上高の新製品比率は57.1%、自社企画品比率は94.4%、国内自社通販売上高(主にアウトドア用品)はFoxfire会員制度本格稼働の効果により前期比7.9%増の1億23百万円、自社EC比率は3.9%、自主管理EC(自社およびECモール等の自社管理取引)比率は8.6%、輸出売上(主にフィッシング用品)比率は4.9%、仕入の輸入比率は9.8%だった。

■共同事業も推進

 21年11月に同社、スノーピーク、アイビック、アイビック食品の4社共同で、キャンプ・フィッシング・食を融合した体験型施設などを展開するキャンパーズアンドアングラーズ(以下、C&A)を設立した。その後、23年4月には複合リゾート「エンゼルフォレスト白河高原」内に、スノーピークの直営店スノーピーク白河高原とのコラボショップとして、フィッシングエリア併設直営店Foxfire白河高原を開業した。23年9月には、C&Aが体験型アウトドアショップ第1号店「C&A北広島店」(北海道北広島市)をオープンした。

 24年4月には群馬県上野村、上野村漁業協同組合、スノーピークおよび同社の4者が、上野村の地域循環共生圏の実現に向けた包括連携協定を締結した。関東でも屈指の清流として知られる神流川など、河川環境や自然環境といった村のフィールドを活かした体験イベントなどを企画する。なお25年3月にスノーピークとの資本提携を解消したが、業務提携は継続する。

■顧客接点の強化、EC分野の拡大、海外展開を推進

 中期的な目標値としては、27年11月期売上高41億64百万円、営業利益2億63百万円、営業利益率6.3%、1株当たり利益(EPS)63円90銭、株主資本利益率(ROE)3.4%を掲げている。基本戦略として顧客接点の強化、EC分野の拡大、海外への展開を推進している。

 顧客接点の強化では、SNSやHPなどによる情報発信の強化、会員制度の拡充、イベントやスクールなどの充実などの施策により、会員数を現在(24年11月期)の約4.7万人から3年後の27年11月期に約7.7万人、5年後の29年11月期に10万人以上へ拡大することを目指す。なおFoxfireの新規出店として、25年9月にFoxfire南町田グランベリーパーク、熊本県・鶴屋百貨店Foxfire Storeがオープンした。

 EC分野の拡大では、24年11月に実施したTIMCOホームページのリニューアル効果に加え、全アイテムの自社ECスタート、自社ECと外部ECの連動による自主管理ECの拡大、グローバルECの展開などの施策により、自社EC比率を現在の約3.9%から3年後に6.0%、自主管理EC比率を現在の8.6%から3年後に12.1%へ、さらに将来的には25%へ引き上げることを目指す。

 海外への展開では、フライ用品のグローバルブランド化、ルアー用品の欧米市場向け拡大、フライ用品・ルアー用品のアジア圏への展開、Foxfireのグローバル展開などの施策により、輸出比率を現在の4.9%から3年後に8.7%へ、さらに将来的には20%へ引き上げることを目指す。

 なお22年11月末時点の流通株式時価総額がスタンダード市場における上場維持基準に適合しない状況となったため、23年2月24日に上場維持基準適合に向けた計画書を発表、24年2月に計画期間の変更を発表した。企業価値の向上(時価総額の増大)に向けて業績の向上を図るため、基本戦略である顧客接点の強化、EC分野の拡大、海外への展開を推進するほか、フィッシング事業とアウトドア事業の相互の有機的連携を強化し、全社的な収益力向上に取り組むとしている。さらにIR活動をいっそう強化して、投資家や株主とのコミュニケーションを高める方針だ。計画期間については25年11月末としている。

 25年3月にはスノーピークとの資本提携を解消(業務提携は継続)し、これに伴って同社株式の立会外分売を実施した。同社株式の流動性向上、株式分布状況改善などが期待される。

■25年11月期増収、営業黒字化見込み

 25年11月期の非連結業績予想(25年10月10日付で下方修正)は、売上高が前期比横ばいの32億12百万円、営業利益が59百万円の損失(前期は30百万円の損失)、経常利益が51百万円の損失(同24百万円の損失)、当期純利益が87百万円の損失(同1億09百万円の損失)としている。

 前回予想(25年7月11日付の修正値、売上高33億51百万円、営業利益5百万円、経常利益10百万円、当期純利益22百万円の損失)に対して、売上高を1億39百万円、営業利益を64百万円、経常利益を61百万円、当期純利益を65百万円それぞれ下方修正した。フィッシング事業、アウトドア事業とも売上高が前回予想を下回り、人件費など各種経費の増加も影響する見込みだ。なお当期純利益については繰延税金資産の一部取崩も影響する。

 第3四半期累計の業績(非連結)は売上高が前年同期比3.5%減の23億29百万円、営業利益が88百万円の損失(前年同期は47百万円の損失)、経常利益が80百万円の損失(同38百万円の損失)、四半期純利益が1億02百万円の損失(同62百万円)の損失だった。減収で各利益は赤字拡大した。

 春季の荒天や夏の猛暑などの気候要因に加え、物価高を背景とする消費マインド低下に伴い販売が伸び悩んだ。また仕入原価上昇や滞留商品の一部値引き販売による売上総利益率の低下なども影響した。

 フィッシング事業は売上高が2.3%増の6億67百万円、営業利益(全社費用等調整前)が40.3%減の24百万円だった。フライ用品における自社企画のフライロッド(釣竿)や、ルアー用品における一部のルアー(擬似餌)の販売が好調で小幅増収だが、全体としては豪雨や猛暑などの影響を受け、利益面は滞留商品の一部値引き販売による売上総利益率の低下、人件費の増加なども影響した。

 アウトドア事業は売上高が5.9%減の16億46百万円、営業利益が56.3%減の21百万円だった。期初は気温低下で防寒衣料・小物が順調だったが、春以降の急激な気温上昇や降水量の低下などの影響で防水ジャケットを中心とした春夏物衣料などが苦戦した。利益面は減収影響に加え、仕入原価上昇も影響した。

 その他(主に不動産賃貸収入売上)は、賃貸面積増加により売上高が16.0%増の15百万円、営業利益が23.1%増の9百万円だった。

 なお全社ベースの業績を四半期別に見ると、第1四半期は売上高が7億68百万円で営業利益が37百万円の損失、第2四半期は売上高が8億57百万円で営業利益が5百万円、第3四半期は売上高が7億04百万円で営業利益が56百万円の損失だった。

 今後の重点施策として、輸出の強化、話題性のある仕入商材の販促強化、成長分野への注力、EC分野の強化などを推進する。なお26年1月15日付で一部フライ用品の販売価格を改定する。積極的な事業展開で26年11月期の収益改善基調を期待したい。

■株主還元

 25年11月期の配当予想は前期と同額の12円(期末一括)としている。株主優待制度(詳細は会社HP参照)については、毎年11月30日現在の株主を対象として、保有株式数に応じてFoxfire Store20%OFFお買物優待券を贈呈している。

■株価は熊撃退スプレーを材料視して急動意

 株価は熊撃退スプレーを材料視して急動意の形となった。目先的には乱高下する可能性もあるが上値を試す展開を期待したい。11月28日の終値は1370円、前期推定配当利回り(会社予想の12円で算出)は約0.9%、前々期実績PBR(前々期実績のBPS1827円68銭で算出)は約0.7倍、そして時価総額は約46億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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