【どう見るこの相場】NYダウの行方

NYダウの行方

■日柄・調整幅では底打ちのタイミングだが企業業績悪化の動き、日本には円高圧力も

 1月21日(木)のNYダウは、前日の250ドル安に対しほぼ半値戻しに当る115ドル高の1万5882ドルと反発した。(1)原油相場が29ドル後半へ小反発、(2)欧州が景気対策を検討していること、そして、もっともポイントとなったのは、(3)前日(20日)のダウが終値で昨年8月安値(1万5666ドル)に残り100ドルと接近したこと売方の買い戻しと買方の小口押し目買いが入った~ことなどが反発の背景である。なお、21日のドルは117円後半、原油は29ドル後半だった。

 注目点は、終値で昨年8月安値をキープできるかどうかである。昨年11月3日の戻り高値(場中値1万7977ドル)から、まもなく3カ月となり、下げ幅も約2500ドルに達していることから、日柄及び調整幅とも戻りに入ってよいタイミングである。ただ、こうした相場のリズムを外部要因が許してくれるかどうかである。中国経済の不透明感は続き、原油相場も大きく上値を追うことも難しいからである。

 とくに、注意が必要なことは、NYダウの1株利益が1000ドル寸前まで下がってきていることである。これまでのドル高による影響と海外不振の影響から企業業績が悪化していることを示している。今後、EPSがさらに低下するようなら、現在のドル安政策がいっそう進むことが予想され日本のマーケットには上値を押さえることになる。

 21日時点では、日経平均のNYダウに対する上ザヤは、わずか135ポイント(昨年ピークは3300ポイント)まで縮んでいる。この数値からも日本市場が円高(ドル安)が影響していることが明確となっている。今後、日本にとっては、中国問題より円高が一番の注視材料といえる。

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