【株式評論家の視点】京写の330円前後に中期投資妙味、17年3月期は急回復期待

株式評論家の視点

 京写<6837>(JQ・100株)は、1959年に京友禅の捺染用スクリーン型の製造・販売会社として発足し、その技術を活かして1967年にプリント配線板の製造開発に着手、以来今日まで着実に成長を続けている。世界一の片面プリント配線板メーカーとして年間540万m2の生産能力を誇り、新製品の粉落レスKyosha-MAXRをはじめ、商品の高密度、高性能化、低コスト化を実現。リジット基板から高多層における新工法PALAPR基板まで、幅広い商品開発を実現して顧客ニーズに応えている。

 前2016年3月期第3四半期業績実績は、売上高が144億7000万円(前年同期比10.1%増)、営業利益が4億7500万円(同34.5%減)、経常利益が4億7900万円(同36.2%増)、純利益が4億8600万円(同13.3%減)に着地。

 前16年3月期業績予想は、売上高が190億円(前の期比7.5%増)、営業利益が7億円(同23.6%減)、経常利益が7億円(同25.1%減)、純利益が5億8000万円(同15.4%減)を見込む。年間配当は期末一括8円継続を予定している。

 第3四半期において、国内は実装関連の搬送治具及び実装事業が共に堅調に推移し、プリン ト配線板事業ではLED照明等の家電製品分野が下期以降回復したものの、映像関連や自動車関連分野の需要が低調であったため前年同四半期を下回ったほか、海外は中国経済減速の影響等から、プリント配線板事業は内製の家電製品分野を中心に売上は伸び悩んだが、自動車関連分野が引き続き売上は好調に推移している。ただ、海外工場における稼働率の低下、円安による輸入販売品や原材料等の調達コスト増加等が響き、前16年3月期は増収減益となる見通し。

 株価は、1月4日の年初来の高値401円から2月12日に年初来の安値235円まで調整を挟んで3月24日高値389円と上昇。その後、モミ合いとなっている。今年度から新たな中期経営戦略が打ち出される予定で、スマートメーター向けが好調に推移し、17年3月期大幅回復、増配含みと観測されており、28日に予定される3月期本決算の発表に期待は持てる。前期予想PER8倍台・PBR0.73倍台と割安感があるほか、同配当利回り2.4%と利回り妙味がソコソコあることから、13週移動平均線がサポートラインとして意識された感はある。ここからの押し目は注目したい。(株式評論家・信濃川)

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