【編集長の視点】昭栄薬品は反落も初決算発表を前に業績期待を高めて下げ過ぎ直近IPO株買いの再燃が有力

編集長の視点

 昭栄薬品<3537>(JQS)は、60円安の2690円と反落して始まっている。今年4月28日につけた配当権利落ち後安値2435円から300円超幅の底上げをし、目先の利益を確定する売り物が先行している。ただ同社株は、今年3月16日に新規株式公開(IPO)され、IPO後の初決算として今週の5月12日に3月期業績の発表を予定しており、前2016年3月期の純利益の大幅増益や、今2017年3月期業績の続伸期待を高めて下げ過ぎは明らかとして下値に直近IPO株買いが再燃する展開も想定される。同社が主力事業の一つとしている土木建設資材事業で展開している地盤改良工法に今年4月14日に発生した熊本地震の復旧・復興関連需要が、見込まれることもフォローの材料となりそうだ。

■「オレオケミカル」の専門性を武器に事業間・国内外シナジー効果を発揮

 目下集計中の同社の前2017年3月期業績は、IPO時に売り上げ186億2100万円(前々期比4.0%増)、営業利益2億9000万円(同21.5%増)、経常利益3億2700万円(同0.6%増)、純利益7億9100万円(同3.61倍)と見込まれていた。パーム油、ヤシ油などの天然油脂を扱う「オレオケミカル」の国内唯一の化学品専門商社として、化学品事業、日用品事業、土木建設資材事業の3事業を展開しており、「オレオケミカル」の専門性と技術蓄積をベースに幅広い業界にわたる顧客向けに界面活性剤などの新規採用を提案し、3事業間のシナジー効果を高めるほか、中国、タイに展開している子会社と連携して国内外とシナジー効果を最大化していることなどが要因となっている。なお純利益は、旧大阪工場の土地売却益8億2700万円を特別利益に計上することから大幅増益となる。

 続く今2017年3月期業績も、売り上げを早期に200億円超に回復させることを目指し、利益も、取引関係にある取引先が、多岐にわたることから景気や業種別の好不調の影響を受け難い会計特性をもっているだけに安定的な推移が見込まれる。純利益が、前期計上の特別利益の一巡でどう予想されるか、5月12日の決算発表が要注目となる。

■PBR評価も0.5倍と割り負け熊本地震の復旧・復興関連人気も加わりリバウンド幅拡大

 株価は、公開価格1350円に対して2001円で初値をつけ、3日連続のストップ高を交えて上場来高値4385円まで買い進まれた。公開価格がPER評価でわずか1.6倍で、配当利回りも40円配当への実質増配で2.96%と市場予想を上回っており、さらに同社自体が1937年創業の老舗化学品専門商社として、仕入先の花王<4452>(東1)などの上場会社25社の株式を保有し、この含み益が大きいことなどが買い手掛かりとなった。最高値後は、配当権利落ちと新年度入り後の全般相場の記録的な続落の影響で2435円まで調整、足元は、IPO初日につけた上場来安値1910円から最高値までの上昇幅の3分の2押し水準でもみ合ってきた。PER評価もさることながら、PBRでも0.53倍と大きく割り負けており、震災復旧・復興関連需要をテコにまず半値押し水準の3100円台までリバウンド、そこから全値戻しへ弾みをつけよう。(本紙編集長・浅妻昭治)

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