【編集長の視点】日東電は高値肉薄、連続最高業績更新で市場予想を上回り連続増配もオン

編集長の視点

日東電工<6988>(東1)は、343円高の8040円と急反発して始まり、3月25日につけた年初来高値8280円に肉薄している。前日30日大引け後に3月期決算を発表、前2015年3月期業績が、今年1月の再上方修正値を上ぶれて着地し、今2016年3月期業績も続伸、税引前利益が、市場コンセンサスを上回り、純利益が、連続して過去最高を更新すると予想、さらに配当も、連続増配を予定したことから割安主力株買いが増勢となっている。

■スマホ・タブレットPC向け機能材料が続伸し自動車向けも好調

前2015年3月期業績は、利益が、今年1月の再上方修正値を約69億円~59億円上ぶれ、前々期比10.1%増収、47.2%営業増益、50.0%税引前利益増益、50.1%純益増益と大きく続伸し、純利益は、前々期に続き過去最高を更新した。オプトロニクス事業では、スマートフォン、タブレット型PCの新製品投入、パネル大型化で光学フィルムなどの情報機能材料が好調に伸び、タッチパネル用透明導電性フィルムも、中国系顧客向けに堅調に推移、インダストリアルテープ事業でも、自動車業界向けがグローバルな生産台数の増加を上回る成長を継続、為替レートも、1ドル=109円(前々期実績99.9円)と円安が進んだことなどが寄与した。

今2016年3月期業績は、為替レートを1ドル=118.4円と想定し、スマートフォン市場が、新興国を中心に拡大することなどから売り上げ8700億円(前期比5.4%増)、営業利益1200億円(同12.4%増)、税引前利益1200億円(同13.3%増)、純利益887億円(同13.9%増)と予想、税引前利益は、市場コンセンサスを約45億円上回り、純利益は、連続して過去最高を更新する。配当は、前期に120円(前々期実績100円)に増配したが、今期は、130円と連続増配を予定している。

■PER14倍台の割安修正で年初来高値抜けから上場来高値も視界

株価は、昨年10月の前期業績の1回目の上方修正と前期配当の増配をテコに約1400円高して7000円台に乗せ、7000円台固めから今年1月の前期業績の2回目の上方修正で年初来高値8280円まで上値を伸ばし、25日移動平均線を出没しつつ中段固めを続けてきた。PERは14倍台と割安となり、高値奪回から2006年2月につけた上場来高値1万890円も視界に捉えよう。(本紙編集長・浅妻昭治)

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