【編集長の視点】エボラブルアジアは株式分割の権利取りを民泊関連の業務提携や業績上方修正がサポートして急反発

 エボラブルアジア<6191>(東マ)は、250円高の5500円と急反発して始まり、今年6月15日につけた上場来高値5760円を再び意識する動きを強めている。

 今年6月14日に発表した株式分割の権利取りが再燃しており、航空券をインターネットで販売するオンライン旅行(OTA)業界のトップとして今年4月以来相次いで締結した訪日外国人向けの民泊事業の戦略的提携や、新規株式公開(IPO)後の初決算となった今9月期第2四半期(2Q)累計業績が上方修正されたことがサポートしている。

 また、6月15日に日本政府観光局が発表した5月の訪日外客数が、前年同月比15.3%増と続伸し5月として過去最高を連続更新したことや、今年4月1日に改正旅館業法施行令が施行されたことも、引き続き株価押し上げ材料視されている。

■民泊向けの新サービスの第3弾を展開するなど戦略的提携を積極化

 株式分割は、投資単位当たりの金額を引き下げることにより、上場来高値水準にある同社株に対してより投資しやすい環境を整え、株式流動性の向上と投資家層の拡大を図ることを目的にしており、7月31日を基準日に1株を3株に分割する。

 一方、戦略的提携は、OTA業界のトップとして、訪日外国人観光客が年間2000万人を超え、ラグビーのワールドカップ、東京オリンピックなどの重要スポーツイベントを控え、2020年には4000万人まで高成長が計画されるなか、外国人観光客の宿泊施設不足が予測されることに対応し、新規サービスの民泊事業に積極進出している不動産会社やIT(情報技術)会社との間で矢継ぎ早に進めている。

 今年4月20日に民泊運営企業向けの新規サービスの第1弾として国内航空券・JR乗車券などのコンテンツ提供を開始したことを手初めに、AMBITION<3300>(東マ)やインベスターズクラウド<1435>(東マ)との日本国内移動最適化サービス開発の第3弾の業務提携などと続き、6月9日にはグローバルwifi事業を展開するビジョン<9416>(JQS)と業務提携した。この戦略的提携のたびに、同社株価も急騰しストップ高するケースも出た。

 また、同社の今9月期2Q業績は、OTA事業、ITオフショア開発事業とも好調に推移したとして上方修正、売り上げ17億4100万円(前年同期比58.7%増)、営業利益2億9200万円(同3.65倍)、経常利益2億6600万円(同3.54倍)、純利益1億5900万円(同4.54倍)と大幅増収増益で着地した。

 今9月期通期業績は、今年3月のIPO時予想を据え置き売り上げ36億6900万円(前期比33.2%増)、営業利益4億8100万円(同54.2%増)、経常利益4億4900万円(同47.2%増)、純利益2億7000万円(同57.0%増)と見込んでいるが、2Q累計業績と同様に上方修正期待が高い。

■波乱相場下でスピード調整も煮詰まり感を強めて上値挑戦に再発進

 株価は、まず4月20日の第1弾の民泊関連サービス提供でストップ高し、2Q累計業績の上方修正、相次ぐ戦略的提携で高値を追い、ビジョンとの提携で上場来高値5760円まで買い進まれ、全般相場波乱のなかでスピード調整、煮詰まり感を強めている。

 全般相場が、6月23日のEU(欧州連合)離脱の是非を問う英国の国民投票を控えなお不透明要素が残るなか、分割権利取りとともにテーマ株人気を高めてもみ合いを上放れて逆行高、上値チャレンジに再発進しよう。(本紙編集長・浅妻昭治)

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