【編集長の視点】アーキテクツSJは商い出来ずも黒字転換業績を手掛かりに下値には下げ過ぎ訂正買いが続く

 アーキテクツ・スタジオ・ジャパン<アーキテクツSJ、6085>(東マ)は9時30分現在、まだ気配値だけで商いが成立していない。きょう22日の日経平均株価が、109円安と4営業日ぶりにスタートして方向感が定まらないことから、同社株にも様子見の動きとなっている。

 ただ下値には、今年5月12日に発表した今3月期業績が、黒字転換と予想されていることを見直し、2013年12月18日の新規株式公開(IPO)時の公開価格2050円を下回っているのは下げ過ぎとしてリバウンド期待の買い物が続いている。7月9日には、著名建築家の安藤忠雄氏を講師に今年4月にオープンした「ASJ TOKYO CELL」で「住まいから夢を」をテーマにASJアカデミー会員に限定して「ASJテアトロ(劇場)」を開催することも、会員増につながる業績押し上げ材料として先取りされている。

■業績の先行指標のアカデミー会員の新規入会は今期も続伸し7370名へ

 今3月期業績は、売り上げ15億2800万円(前期比19.4%増)、営業利益1500万円(前期は9000万円の赤字)、経常利益1500万円(同9000万円の赤字)、純利益900万円(同1億2100万円の赤字)と売り上げは2ケタの増収転換、利益は黒字転換が予想されている。同社は、建築家と建築会社を結び付け建設計画に登録建築家を活用するASJ建築家ネットワーク事業を展開しており、同事業で家つくりを希望するASJアカデミーの今期会員は、新規入会を104名増の7370名、期末の有効会員数を4544名増の4万名、期末の登録建築家数を180名増の2893名と計画、前期に落ち込んだ家づくりの第一段階のプランニングコースの新規件数が198件増の1395件、建築設計・監理業務委託契約が、5件増の503件、建設工事請負契約が、件数で42件増の468件、金額で約10%増165億9000万円と見込んでいることなどが寄与する。

 このうちアカデミー会員は、前期にWEB媒体による会員獲得が1366名と大きく寄与したが、これに加えて今年4月に東京・有楽町に路面店として「ASJ TOKYO CELL」を新規オープンし、大阪・梅田、神奈川・横浜の既存CELLとの相乗効果により会員に高付加価値なライフスタイルを提案、7月9日の安藤忠雄氏の講演会は、6月25日に続いて2回目となる。アカデミー会員の獲得が、同社業績の先行指標となっているだけに業績期待をいっそう高めることになる。

■25日線水準固めに煮詰まり感を強め急騰特性の再現期待を増幅

 株価は、2013年12月の新規株式公開(IPO)時に公開価格2050円に対して4600円で初値をつけ即ストップ高し、さらにストップ高を交えて上場来高値で5390円まで買い進まれる高人気となった。その後は、強弱感が対立する値動きが続き、昨年11月以降は、前期業績の下方修正・赤字転落が響いて下値を探り、上場来安値1506円へ突っ込み、足元では、今期業績の黒字転換予想を評価して底上げ25日移動平均線水準でもみ合い、煮詰まり感を強めている。IPO時の高人気・急騰特性の再現期待を高めて一段の戻りにトライしよう。(本紙編集長・浅妻昭治)

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■東京大学発スタートアップが開発、19自由度のヒューマノイドロボット  東京大学発スタートアップH…
  2. ■売却面積は約1.6倍に、総額1,785億円超の譲渡価額  東京商工リサーチは6月30日、2024…
  3. ■従来の検索では見つけられなかった本との出会いを創出  富士通<6702>(東証プライム)傘下の富…
2025年8月
 123
45678910
11121314151617
18192021222324
25262728293031

ピックアップ記事

  1. ■株主還元強化が市場の安心材料に  東京エレクトロン<8035>は8月1日、2025年3月期の業績…
  2. ■市場の霧が晴れ始めた、個別銘柄の好調が投資家を惹きつける  前週31日の植田和男日銀総裁の記者会…
  3. ■利上げか、現状維持か?日銀総裁の決断で明暗分かれる8月相場  日銀の金融政策を巡る不確実性が続く…
  4. ■選挙惨敗の石破首相に退陣要求、政局混迷の行方  まるで狂言の『乳切木』(ちぎりき)を観るようであ…
  5. ■九州地盤銘柄に割安感、福証単独上場企業にも注目集まる  東京エレクトロンやアドバンテストなどの半…
  6. ■参院選で与党過半数割れ、石破政権の行方不透明に  7月20日投開票の参議院議員選挙は、大手メディ…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る