【編集長の視点】ダイナミックマップは赤字縮小業績に相次ぐ実証プロジェクトがオン

■好決算と提携加速で株価急伸

 ダイナミックマッププラットフォーム<336A>(東証グロース)は、前日20日に134円高の1376円と7営業日続伸して引けた。値動きは、東証グロース市場の値上り率ランキングの第15位、商いは、同じく売買代金ランキングの第18位と賑わった。同社株は、今年3月27日に新規株式公開(IPO)されたばかりで、IPO後の初決算として発表した前2025年3月期業績が、IPO時予想を上ぶれて着地し、続く今2026年3月期業績の赤字縮小を予想しており、さらに経済産業省からの研究開発受託、民間大手企業との実証プロジェクトの合意が相次いだことから直近IPO株買いが増勢となった。テクニカル的にも上場来高値1706円から上場来安値842円への調整幅の半値戻しまでリバウンドしており、相場格言の「半値戻しは全値戻し」期待を高めてサポート材料視されている。

■経産省からの受託に続き三井不動産、ソニーGとも開発・実証で合意

 前2025年3月期業績は、IPO時予想より売り上げが4億円強上ぶれ、赤字幅を6億円~2億円縮小させ売り上げ74億6500万円(前々期比34.1%増)、営業利益12億1900万円の赤字(前々期は25億5400万円の赤字)、経常利益14億1400万円の赤字(同24億9000万円の赤字)、純利益15億4400万円の赤字(同40億4900万円の赤字)で着地した。とくに営業利益に減価償却費、政府補助金を加えた調整後EBITDAは、6億900万円の赤字(同22億300万円の赤字)と好転しており、同EBITDAは、前期第3四半期(2024年10月~12月期)に4100万円の黒字、第4四半期(2025年1月~3月期)に4億4700万円の黒字となったことが要因となった。同社は、自動運転や先進運転支援システムに不可欠な高精度3次元地図データ(HDマップ)の研究開発事業を展開しており、この3Dデータなどのライセンス型売り上げは、11億7100万円(同17.8%増)、民間企業などとの共同開発のプロジェクト型売り上げは、62億9300万円(同37.6%増)と大きく続伸した。

 今2026年3月期の業績ガイダンスは、売り上げと調整後EBITDAのみ開示し、売り上げ70億円(前期比6.2%減)、調整後EBITDA5億円の赤字と減収転換・赤字縮小を見込んでいる。売り上げはライセンス型売り上げが23億円(前期比96.4%増)、プロジェクト型売り上げが47億円(同25.3%減)と想定している。ただ決算発表直後に経産省の公共エリア向けダイナミックマップの開発を継続受託し、2025年3月から中部国際空港での実証実験を行っているほか、三井不動産<8801>(東証プライム)と物流施設内の自動運転トラックによる物流自動化の実現で合意し、ソニーグループ<6758>(東証プライム)と車内エンタテインメント向けコンテンツ開発で共同実証を開始したことなどを発表しており、上ぶれの可能性も期待されている。

■公開価格奪回、「半値戻しは全値戻し」から騰勢が加速し上場来高値が第一目標

 株価は、1200円を公開価格にIPOされ1530円で初値をつけ上場来高値1706円まで買い進まれたが、このIPO人気の一巡にトランプ関税による世界同時株安が重なって上場来安値842円まで売られた。同安値からは、公開価格割れは売られ過ぎとしてリバウンドし、公開価格をクリアするとともに上場来高値から上場来安値への調整幅の半値戻しも達成し、そこから騰勢加速となった。相場格言の「半値戻しは全値戻し」通りに上場来高値奪回を一通過点に一段の上値追いも期待される。(情報提供:日本インタビュ新聞・インベストメントナビゲーター:株式投資情報編集長=浅妻昭治)

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