【編集長の視点】くらコーポは一気に分割落ち後高値更新、1Q好決算をテコに業績上ぶれ期待を高め買い増勢

くらコーポレーション
 くらコーポレーション<2695>(東1)は、寄り付きの買い気配から215円高の4430円で始まって4日続伸、今年3月3日につけた株式分割権利落ち後高値4225円を一気に更新している。東証第1部値上がり率ランキングでは、トップ5にランクインする高人気である。

前日4日大引け後に今10月期第1四半期(1Q)決算を発表、連続2ケタ増益と伸ばし期初予想の今期第2四半期(2Q)累計業績に対して高利益進捗率を示したことから、前期同様の業績上ぶれ期待を高めて買い増勢となっている。全般相場が、前日の米国株続落で小幅続落してスタートしていることもあり、内需関連のディフェンシブ株買いも相乗している。

■各種フェア開催に新メニュー投入効果も上乗せとなり高利益進捗

1Q業績は、前年同期比8.8%増収、30.9%経常増益、39.9%純益増益と続伸し、期初予想の2Q累計業績対比の利益進捗率は、65~70%と目安の50%を大きく上回った。円安による魚介類を中心とした原材料価格の上昇や、労働需給ひっ迫に伴う人件費の上昇などの厳しい経営環境下、昨年11月の「熟成まぐろフェア」、12月の「極上かにフェア」、今年1月「極上ふぐフェア」などの各種フェアの開催や、今年1月投入の「赤鶏ゆずうどん」の新メニューが効果を上げ高利益進捗率につながったことが要因となった。

今10月期業績は、期初予想を据え置き売り上げ1003億3500万円(前期比3.5%増)、経常利益52億4700万円(同1.4%増)、純利益31億4700万円(同3.5%増)と予想、売り上げは初めて1000億円台に乗せ、純利益は連続して過去最高を更新する。なお前期は、1Q好決算を受けて昨年5月に2Q累計業績を上方修正し、昨年12月に開示した通期業績も期初予想を上ぶれて着地した。

■インバウンド関連人気も底流し分割権利落ち埋めに拍車

株価は、前期業績の上ぶれ着地・今期業績の続伸予想を手掛かりに3415円高値まで買い進まれ、この上昇幅の3分の2押し水準の3145円への調整を経て、インバウンド関連株の一角として買い直されて2010年4月30日を基準日に実施した株式分割(1対200)の権利落ち後高値をつけた。この高値は、すでに同株式分割の権利付き最終値33万6500円を実質的に大幅に更新し投資採算的には割高だが、テクニカル的には業績上ぶれ期待でディフェンシブ株人気を高め、この権利落ち分をさらに埋める展開が想定される。(本紙編集長・浅妻昭治)

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