長期投資は避けるところだが1~2カ月狙いの投資にチャンス、日銀の緩和が実現も=犬丸正寛の相場展望

 振り回されたイギリスのEU離脱か残留かは、「離脱」で決着となった。残留濃厚との報道から日経平均は6月16日の1万5395円から24日の朝方(1万6389円)まで約995円も上昇した。そして、離脱の決まった24日後場は前場の高値から実に1525円安の大暴落となった。「どうなる今後の相場」に注目が集まる。

 思いつくまま並べると、(1)EU離脱でイギリスの経済は大丈夫か。かつての大英帝国時代のようになれるか、意識だけではないのか、(2)離脱されたEUの経済は大丈夫か、(3)アメリカ経済への影響はどうなるのか、(4)日本企業と日本経済への影響はどうか、(5)今回のイギリスの自国優先の保護主義が大統領選挙を控えているアメリカに影響しないか、などなど、プラスの効果より心配なことが多い。

 なかでも、心配なのは11月に大統領選挙を控えているアメリカの動向だろう。もしも、「アメリカ第一主義」を激しく打ち上げているトランプ候補が大統領に就任すれば、現在のグローバル経済体制が縮小、TPPどころの話ではなくなってくる心配がある。とくに、日本にとっては、米軍駐留費の全額負担、自動車への関税など厳しい内容が予想される。食料問題にも波及してくることも予想される。

 トランプ候補が大統領に就任したとしても100%その通りになるとは思えないが、しかし、方向が明確となるまでは今回のイギリスの件が示したように全力投球の投資はできない。

 幸い、今回、日経平均が995円上昇した過程では東証1部出来高の超薄商い状態が示す通り中長期投資家の参戦はほとんどなく短期投資家が中心の相場だったところに救いがある。

 今後も中長期資金は、イギリス問題よりはるかに影響が大きいアメリカ大統領の件に目処がつくまでは期待できないだろう。引き続き短期資金中心の相場が少なくとも秋頃までは続くとみておくのがよいだろう。

 ただ、短期的に日経平均は、(1)2月安値1万4865円に対し、今日の安値1万4864円(いずれも場中安値)でダブル底形成に入ったとみられる、(2)1ドル・100円を切った急激な円高から日銀の追加量的緩和が予想される、ことなどから底打ち反発に転じる可能性はあるだろう。

 個人投資家は長期スタンスの投資は避け、1カ月程度の短期&中期狙いで突っ込んだ銘柄の反発を狙いに行くところだろう。懸念材料のアメリカ大統領問題が控えているといっても、まだ4~5カ月先であり、急落した今回の相場を黙ってみているだけではもったいない話である。短期狙いよりやや投入資金を増やして買い場を探すタイミングだろう。

 

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