【編集長の視点】やまみは超割安直近IPO株買いが再燃し配当催促買いもオンして反発

 やまみ<2820>(JQS)は、17円高の1535円と反発して始まり、きょう6日に日経平均株価が、322円安と急続落してスタートしているなかで逆行高展開をしている。同社株は、今年6月17日に新規株式公開(IPO)されたばかりで、英国の「欧州連合(EU)離脱ショック」による株価急落に巻き込まれて6月24日に上場来安値1371円にまで突っ込んだが、IPO後の初決算で現在集計作業に入っている2016年6月期業績が大幅増益と予想されていることを見直し、内需系株人気を高め超割安直近IPO株買いが再燃している。6月期配当も、IPO時に未定としたものの実施予定としており、配当催促の買い物も交錯している。

■製品ラインアップの充実や生産設備の増強が奏功し原油安恩恵もオン

 同社の目下集計中の2016年6月期業績は、IPO時に売り上げ95億5800万円(前期比5.2%増)、営業利益11億3800万円(同2.64倍)、経常利益11億2600万円(同2.68倍)、純利益7億100万円(同2.03倍)と予想された。同社は、豆腐やその関連製品の厚揚げ、油揚げなどの製造・販売をする食品メーカーで、消費者ニーズの高まりに対応して「切れてる豆腐」、「刻み揚げ」などの製品ラインアップを充実させ、本社工場や2012年8月に建設した関西工場の製造ラインを増強して関西・中京地区の新規顧客獲得に注力、原材料大豆については国産大豆から外国産大豆のウエートを上げ、原油価格の下落で水道光熱費負担が軽減されたことなどが寄与する。

 配当については、株主への利益還元は経営上の重要課題と認識し実施を予定しているが、具体的な配当金はIPO時には未定としていた。前2015年6月期は、年間25.5円として実施しており、配当期待を高めている。

■PER10倍の割安修正で「半値戻し」水準の三角保ち合いを上放れ最高値奪回有望

 株価は、公開価格1690円でIPOされ1751円で初値をつけ、上場来高値1790円へ上ぶれ、公開価格水準でのもみ合いとなったが、「EU離脱ショック」で上場来安値1371円へ突っ込み、下げ過ぎとして最高値から最安値までの調整幅の半値戻しをクリアして三角保ち合いを続けてきた。PERは10倍台と超割安でなお下げ過ぎを示唆しており、三角保ち合いを上放れ相場格言の「半値戻しは全値戻し」にトライして最高値奪回が加速しよう。(本紙編集長・浅妻昭治)

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■ガソリン・軽油の暫定税率廃止法成立  ガソリン暫定税率廃止法は11月28日に成立し、ガソリン税2…
  2. ■うつ・統合失調症・発達障害を脳から理解する、最前線研究を平易にまとめた一冊  翔泳社は11月25…
  3. 【新築マンションの短期売買を分析】  国土交通省は11月25日、三大都市圏および地方四市の新築マン…
2025年12月
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
293031  

ピックアップ記事

  1. ■「大きく産んで小さく育てる」IPO市場、期待裏切る後半戦  48勝2分10敗である。2025年の…
  2. ■日銀イベント通過で円高前提、紙・パ株が師走相場の主役候補  今週のコラムは、日銀の金融政策決定会…
  3. ■FOMC通過も市場は波乱、金利と為替に残る違和感  FRB(米連邦準備制度理事会)のFOMC(公…
  4. ■眠れる6900トンの金が動き出す、「都市鉱山」開発でリデュース株に追い風  今週の当コラムは、金…
  5. ■天下分け目の12月10日、FRB利下げで年末相場は天国か地獄か?  天下分け目の12月10日であ…
  6. ■AI・データセンター需要拡大に対応、測定能力は従来比最大2倍  リガク・ホールディングス<268…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る