【編集長の視点】大阪工機は寄り付き安後に小幅反発、東証2部への市場変更では素直に連続最高純益更新・増配を評価

編集長の視点

大阪工機<3173>(東2)は、きょう15日にジャスダック市場(スタンダード・JQS)から東証第2部に市場変更されて売買がスタートし、前日のJQS終値に対して5円で始まったあと、2円高の1510円と切り返し小幅反発している。

今年5月8日の市場変更承認、同12日の好決算発表の好材料を受けて200円高しただけに、目先の利益を確定する売り物が先行したが、投資バリュー的には、低PERとして下値に押し目買いが入り、今年3月19日につけた上場来高値1690円を意識する動きを続けている。

同社株は、2012年3月に公開価格700円で新規株式公開(IPO)され、初値を公開価格を下回る685円でつけ上場来安値514円まで売られIPO人気は不発となったが、今回の東証2部への市場変更では、変更に際して新株式発行などの希薄化材料を伴わないことから、今2016年3月期の連続の過去最高純利益更新や連続増配予想を素直に評価する展開も期待されている。

■自動車・航空機業界向けは好調に伸び海外子会社も寄与

同社株のIPO人気不発は、公開価格のPERが、公開時予想で7倍台と割安で、IPO株として希少の有配予想銘柄であったにもかかわらず、同社の業態が、機械工具の専門商社とオールドエコノミーに属し、しかも相場全般が、ユーロ圏の経済危機などで安値圏で低迷するなかIPO市場まで資金の流入がなかったことが要因で、同社株だけでなく2012年のIPO市場全般が、年間初値倍率も低位にとどまるなど不冴えとなった。

しかし、IPO後の同社の業績推移は好調で、前2015年3月期業績は、昨年11月に前期第2四半期累計業績を上方修正したのに続き、前期通期業績も、期初予想を上ぶれて着地し、純利益は、4億円(前々期比37.4%増)と連続して過去最高を更新し、年間配当も、23円(前々期実績22円)に増配した。

切削工具事業では、主要販売先の自動車業界や航空機業界が好調に推移しM&Aした2子会社の業績が上乗せとなり、海外事業でも、中国、タイ、メキシコの子会社の販売体制を強化し、円安の影響で売り上げが伸びたことなどが要因となった。

今2016年3月期業績も、国内では、新規顧客の開拓や有力販売店の囲い込みによりシェア拡大を図るとともに、海外市場でも、アジアの新興国向けに積極展開を続けることから、売り上げ226億9000万円(前期比12.4%増)、経常利益9億1000万円(同23.3%増)、純利益5億1700万円(同29.3%増)と予想、純利益は、連続して過去最高を更新し、配当も、24円に連続増配を予定している。

■「小さく産んで大きく育てる」を示現しPERはなお10倍台と割安

株価は、公開価格割れの初値形成、上場来安値への下ぶれから好業績評価で水準を上げ、とくに昨年12月の株主優待制度の導入では1500円の高値をつけ、前期第3四半期の好決算や期末の配当・優待制度の権利取りで上場来高値1690円まで買い進まれ、IPO株投資の要諦とされる「小さく産んで大きく育てる」を示現した。PERは10倍台と東証第2部市場平均を下回りなお割安であり、高値奪回から上値チャレンジが続こう。(本紙編集長・浅妻昭治)

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