【編集長の視点】マーキュリアは反落も今期の連続最高業績観測を手掛かり材料に突っ込み買い妙味を示唆

 マーキュリアインベストメント<7190>(東2)は、前日16日に168円安の1732円と反落して引けた。同社株は、今年2月14日に昨年10月17日の新規株式公開(IPO)後の初決算となる12月期業績を発表、前2016年12月期業績がIPO時予想上ぶれて着地したが、続く今2017年12月期業績は非開示としており、株価自体が、株式分割後の高値水準いただけに利益確定売りが先行した。ただその今期業績は、連続して過去最高を更新し配当も実質増配と観測されており、目先売り一巡後にこれを手掛かり材料に下げ過ぎ訂正買い再燃するとも期待され、突っ込み買い妙味を示唆している。米国のトランプ大統領が、金融規制緩和の大統領令に署名し、金融機関のリスク選好志向が高まると見込まれていることも、側面支援材料視されている。

■前期業績はIPO予想を上ぶれ着地し今期はさらに最高益を伸ばし実質増配と観測報道

 同社の前2016年12月期業績は、営業収益が、IPO時予想を2億5000万円上ぶれ25億2100万円(前々期比23.1%増)と連続増収率を伸ばし、利益も、同じく1億3800万円~2億円上ぶれ営業利益12億4800万円(同41.2%増)、経常利益12億4800万円(同38.7%増)、純利益8億5400万円(同37.6%増)と大幅増益転換して着地し、純利益は、2014年12月期の過去最高(7億3900万円)を2期ぶりに更新した。同社は、国内外の投資家の資金を投資事業組合などのファンドを通じて運用するファンド運用事業と自己資金を運用する自己投資事業とを主力事業としており、ファンド運用事業では、新規組成したファンドの管理報酬や、管理運営ファンドの投資資金回収に伴う成功報酬などが発生し、さらに円高進行により管理運営しているSpring REITの管理報酬の円換算額が増加したことが、上ぶれ着地につながった。

 今2017年12月期業績は、ファンド事業が、経済環境や株式市況、各国の政治状況などの影響を受け、現時点では成功報酬の動向など業績予想を合理的に行うことは困難として非開示とした。ただ日本経済新聞の業績報道では今期も続伸、純利益は、10億円と連続して過去最高を更新すると観測されている。また配当についても、会社側は、前期に45円(前々期実績0円)として実施し、今期は未定としているが、これも日本経済新聞では17円と予想、昨年12月31日を基準日に実施した株式分割(1株を3株に分割)を換算すると実質で2円の増配となる。

■トランプ大統領の金融規制緩和策も追い風にまず分割権利落ち後高値奪回に再発進

 株価は、昨年10月に公開価格1400円でIPOされ、初値は公開価格を下回る1390円でつけ、その後の前期の2016年1月~9月期(第3四半期、3Q)業績の高利益進捗率や株式分割を歓迎し、期末配当の権利取りも加わって上場来高値4500円まで買い進まれ、IPO株投資の投資セオリーとされる「小さく産んで大きく育てる」通りの株価推移となった。株式分割の権利は4200円で落としたあとは、落ち後安値1360円から落ち後高値2259円まで6割超高して、足元では2000台固めから下ぶれた。株価水準は、25日移動平均線からは10%超の下方かい離と下げ過ぎを示唆している。トランプ大統領の金融規制緩和を追い風に権利落ち後高値2259円抜けから中期的には分割権利落ち埋めを目指そう。(本紙編集長・浅妻昭治)

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