【編集長の視点】フォトクリエイトは年初来高値を窺う、台湾子会社設立を再評価しAR関連人気もフォロー

 フォトクリエイト<6075>(東マ)は、30円高の1332円と商い出来ずを挟んで実質的に3営業日ぶりに急反発して始まり、3月22日につけた年初来高値1377円を窺っている。今年7月15日に発表した台湾での子会社設立を手掛かりに買い増勢となっており、世界的なフィーバーとなっている任天堂<7974>(東1)のスマホゲーム「ポケモンGO」に関連して同社のAR(拡張現実)技術活用写真「snapair(スナップエアー)」も見直し、フォローの材料視されている。

■台湾子会社設立で海外事業基盤を強化しAR技術活用の「スナップエアー」は今年3月発売

 同社は、各地で開催されるイベントにカメラマンを手配して撮影、撮影した写真を運営するWebサイトに掲載してイベント参加者に販売するインターネット写真サービスを主力事業としており、台湾では、2012年10月からスポーツ写真専用の販売サイト「オールスポーツコミュニティ」のサービスを開始するなど海外展開を積極化していた。この台湾で、さらに海外事業基盤を強化するためにインターネット写真サービス事業を子会社運営に切り替え、今年10月に子会社を設立する。

 一方、「スナップエアー」は、今年3月から発売しており、購入した写真にスマートフォンをかざすと写真撮影前の6秒間の映像をみることができる“動く写真”ともいうべきビジネスモデル特許出願中の新商品で、インターネット写真サービス事業の約1000の導入先に展開したあと、今期中に法人向けのインターネット写真販売システムであるフォトクラウド事業の約2000の導入先に展開する。同商品は、AR技術を活用しており、AR技術と位置情報技術を複合させて世界的なフィーバーとなっている「ポケモンGO」の人気波及で販売促進効果も期待されている。

 今6月期業績も、今年1月28日に今期第2四半期(2015年7月~12月期、2Q)累計業績を上方修正、期初の赤字予想が黒字転換するなど順調に推移しており、6月通期業績も、期初予想の31億4400万円(前期比1.0%減)、営業利益7800万円(同24.8%減)、経常利益8300万円(同21.2%減)、純利益5100万円(同22.1%減)から上ぶれの可能性もある。

■25日線を挟む上下150円幅のボックス圏を上放れ昨年4月高値目指す

 株価は、「スナップエアー」発売の発表に反応して年初来高値1377円まで買い進まれ、その後は25日移動平均線を挟んだ上下150円幅のボックス展開を続けてきた。今回の台湾子会社設立ではこの往来圏からの上放れを窺っており、AR関連人気の波及で年初来高値抜けから昨年4月高値1952円を目指す展開が想定される。(本紙編集長・浅妻昭治)

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■グローバルモデルに匹敵する日本語対応の高性能生成AIを4月から順次提供  ELYZAとKDDI<…
  2. ■優勝への軌跡と名将の言葉  学研ホールディングス<9470>(東証プライム)は3月14日、阪神タ…
  3. ■新たな映画プロジェクトを発表  任天堂は3月10日、イルミネーション(本社:米国カリフォルニア州…
2024年4月
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
2930  

ピックアップ記事

  1. ■金先物と原油価格、史上最高値に迫る―地政学リスクが市場に与える影響  今週のコラムは、異例中の異…
  2. ■「虎」と「狼」の挟撃を振り切り地政学リスク関連株で「ピンチはチャンス」に再度トライ  東京市場は…
  3. ■海運株と防衛関連株、原油価格の動向に注目集まる  地政学リスクによる市場の不安定さが増す中、安全…
  4. ■中東緊張と市場動向:投資家の選択は?  「遠い戦争は買い」とするのが、投資セオリーとされてきた。…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る