【編集長の視点】PCIホールディングスは3連騰、3Q決算発表を先取りして自動車車載関連などテーマ株買いが増勢

■多彩なテーマ性を評価し材料視

 PCIホールディングス<3918>(東マ)は、90円高の2640円と3営業日続伸して始まっている。同社は、今年8月10日に今9月期第3四半期(2015年10月~2016年6月期、3Q)決算の発表を予定しているが、今年5月に開示した今期第2四半期(2015年10月~2016年3月期、2Q)累計業績が、期初予想を上ぶれて着地したことから業績期待を高めて買い増勢となっている。自動車車載分野で、今年7月15日から「クルマのデジタルラジオ『Amanek』」の本サービスを開始したことなど同社の内包する多彩なテーマ性も評価し追撃材料視されている。

■2Q累計業績が上方修正して着地し3Q・9月通期業績にも上ぶれを期待

 同社の今9月期2Q累計業績は、期初予想より売り上げが1億2700万円、営業利益が3900万円、経常利益が5100万円、純利益が5700万円それぞれ上ぶれて着地し、前年同期比8.2%増収、18.2%営業増益、19.1%経常増益、42.1%純益増益と増収増益率を伸ばした。エンベデッドソリューション事業、ビジネスソリューション事業、IoT/IoEソリューション事業が順調に推移したことが要因で、純利益は、法人税の負担率が予想を下回ったことで増益率を拡大させた。とくにエンベデッドソリューション事業では、参入障壁の高い自動車産業向けの組込み系(エンベデッド)ソフトウェア開発に強みを持ち、車載分野で「車車間通信(V2X)」、「テレマティクス」、「自動運転」などで好展開、「V2X」では神戸市で市バスによる実証実験や、7月15日から『Amanek』の本サービスを開始したことなどが業績期待を高めている。

 今9月期通期業績は期初予想を据え置き、売り上げ84億5000万円(前期比7.6%増)、営業利益5億8000万円(同6.5%増)、経常利益5億8000万円(同6.5%増)、純利益3億6000万円(同8.8%増)と見込んでいるが、3Q決算発表時の業績上ぶれ期待を高めている。東洋経済会社四季報最新号では、今期純利益を4億3000万円と2014年9月期の過去最高(4億4900万円)に肉薄すると観測しており、3Q決算発表への注目度が高まる。

■株式分割の権利落ち後安値をボトムに逆三尊底を形成し一段の底上げに拍車

 株価は、今年3月27日を基準日にした株式分割(1対2)の権利を6530円で落とし、落ち後は理論価格を上回って3400円高値をつけ、神戸市の市バスの実証試験でも3345円高値と買われたが、その後は全般相場の波乱とともに下値を探り、英国の「欧州連合離脱ショック」の波及で落ち後安値1802円へ突っ込んだ。ただテクニカル的には同安値をボトムに逆三尊底を形成して底打ちを鮮明化している。昨年8月のIPO(新規株式公開)以来、再三のストップ高を交えて上場来高値1万2330円をつけた急騰特性の再現期待を高めて一段の底上げに拍車をかけよう。(本紙編集長・浅妻昭治)

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