【編集長の視点】インソースは上方修正・増配を手掛かりに直近IPO株買い再燃へ

 インソース<6200>(東マ)は、今年7月21日の新規株式公開(IPO)時につけた上場来安値678円からの底上げ幅を拡大させている。IPO後およそ1カ月後の今年8月18日に今9月期業績の上方修正と期末配当の増配を発表しており、再評価して直近IPO株買いが再燃している。IPO後に3日間連続してストップ高し上場来高値1092円まで買い進まれた値動きの軽さも見直されている。

■1Q利益が高進捗し講師派遣型研修事業と公開講座事業の受注件数が想定を上回る

 今9月期業績は、IPO時予想より売り上げが1億3300万円、営業利益が5500万円、経常利益が5200万円、純利益が2600万円それぞれ引き上げられ、売り上げ29億3000万円(前期比20.9%増)、営業利益4億6000万円(同15.0%増)、経常利益4億5700万円(同14.8%増)、純利益2億8000万円(同17.6%増)と増収増益率を伸ばして最高業績を連続更新する。配当も、IPO時予想の4円を5.5円(前期実績4円)に増配する。

 同社は、社会人向け教育サービスとして講師派遣型研修事業と公開講座事業を展開しているが、両事業の8月9日現在の受注件数が、IPO時の想定を上回ったことから9月通期業績を上方修正した。IPO後に初決算として今年7月29日に開示した今9月期第3四半期(2015年10月~2016年6月期、3Q)業績も、売り上げ20億9700万円、営業利益3億5900万円、経常利益3億5700万円、純利益2億2400万円で着地し、四半期決算は初作成となるため前年同期比較はないが、IPO時の9月通期業績対比の利益進捗率は、88%と目安の75%を上回っていた。

■IPO時の3日連続ストップ高への意識を強め初値奪回から最高値を目指す

 株価は、IPO初日に公開価格520円に対して810円で初値をつけ945円高値まで買い進まれ678円まで大きく下ぶれたが、同安値から3日連続でストップ高して上場来高値1092円まで買い上げられた。最高値後は全般相場の調整とともに、690円安値へ再調整、今期業績の上方修正・増配発表とともに再出直りの動きを強めている。IPO時の急騰実績への意識を強め初値奪回から上場来高値を目指し直近IPO株買いが拡大しよう。(本紙編集長・浅妻昭治)

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■AIとベイジアンネットワーク解析で165項目を抽出、複雑な因果関係を構造化  大正製薬は11月2…
  2. ■Blackwell GPU2140基で研究競争力を拡大  NVIDIA(NVDA:NASDAQ)…
  3. ■銀座の呉服店「むら田」店主・村田あき子の語りをまとめた書籍  KADOKAWA<9468>(東証…
2025年12月
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
293031  

ピックアップ記事

  1. ■日銀イベント通過で円高前提、紙・パ株が師走相場の主役候補  今週のコラムは、日銀の金融政策決定会…
  2. ■FOMC通過も市場は波乱、金利と為替に残る違和感  FRB(米連邦準備制度理事会)のFOMC(公…
  3. ■眠れる6900トンの金が動き出す、「都市鉱山」開発でリデュース株に追い風  今週の当コラムは、金…
  4. ■天下分け目の12月10日、FRB利下げで年末相場は天国か地獄か?  天下分け目の12月10日であ…
  5. ■AI・データセンター需要拡大に対応、測定能力は従来比最大2倍  リガク・ホールディングス<268…
  6. ■売り方手仕舞いで需給改善が後押し  師走相場では、リスクの大きい銘柄であっても、逆日歩のつく信用…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る