【編集長の視点】ソーシャルワイヤーは1Q減益業績を織り込み自己株式取得をサポート材料に反発

 ソーシャルワイヤー<3929>(東マ)は、21円高の1084円と5日ぶりに反発して始まっている。同社株は、今年7月29日に発表した今3月期第1四半期(2016年4月~6月期、1Q)業績が、減益転換して着地したことから999円安値まで売られたが、3月通期業績は、期初予想を据え置き連続過去最高更新、増配と予想していることから織り込み済みとして下げ過ぎ訂正期待の打診買いが入っている。8月25日に発表した自己株式取得も、サポート材料視されている。

■プレスリリース配信件数は過去最高を更新しレンタルオフィスも高稼働

 自己株式取得は、同社の株価動向を勘案し、経営環境の変化に対応した機動的な資本政策の遂行と資本効率の向上を図ることを目的としており、取得株式総数を4万1000株(発行済み株式総数の1.50%)、取得価額総額を4510万円、取得期間を今年8月26日から11月30日までとして実施している。同社の配当は、昨年12月の新規株式公開(IPO)後の初決算となった前2016年3月期に15円として実施し、今2017年3月期には18円への増配を予定しており、これに並ぶ株主優遇策となる。

 一方、今期1Q業績は、前年同期比26.6%増収、16.2%営業減益、62.8%経常減益、5.3%純益減益となった。ニュースワイヤー事業では、プレスリリース配信数が、6364件(前年同期比38.5%増)と過去最高となり、インキュベーション事業でも、国内、アジアのレンタルオフィス7拠点の累積稼働席数が、2948席と過去最高の高稼働となったが、人員増強に伴う一時経費増や円高による為替差損計上などが要因となった。

 今3月期業績は、ニュースワイヤー事業、インキュベーション事業とも過去最高を続け、今年10月~11月には新宿のレンタルオフィス「CROSSCOOP新宿SOUTH」の3回目の増床をして新宿地区で最大規模となるほか、仙台に営業所と8拠点目のレンタルオフィスを併設してオープンさせることを予定していることなどから期初予想に変更はなく、売り上げ24億600万円(前期比23.1%増)、営業利益2億5600万円(同13.3%増)、経常利益2億4900万円(同18.6%増)、純利益1億7400万円(同18.4%増)と予想、連続して過去最高を更新する。

■「半値八掛け二割引き」の大底からPER16倍台の割安修正へ再発進途上

 株価は、今年2月につけた上場来安値946円から配当権利取りに加えてタイのレンタルオフィス会社の子会社化、国内での翻訳事業・マッチング事業会社の子会社化などの相次ぐM&A(企業の合併・買収)を評価して2108円まで底上げしたが、その後は、全般相場の波乱とともに調整局面入りとなり、今期1Q減益転換業績が響き999円安値まで下ぶれ、自己株式取得で1257円へリバウンドして25日移動平均線水準でもみ合っている。テクニカル的には、昨年12月のIPO時につけた上場来高値3015円から大底打ちを示唆する「半値八掛け二割引き」まで調整しており、PERも16倍台と相対的に割安となっており、一段の底上げにトライしよう。(本紙編集長・浅妻昭治)

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