【業績でみる株価】川崎地質の業績は老朽化したインフラ施設の点検需要や地質調査で業績V字型回復、株価安値圏で動意含み

業績で見る株価

川崎地質<4673>(JQS・売買単位1000株)は、増収増益基調を今期も堅持することが見直され、反騰色を強め中期的には600円台乗せもあり得るだろう。

地質専門業者の大手で、非破壊診断や環境調査、海洋・エネルギー分野でも強みを持つ。最近では活断層や地震防災、老朽化した橋梁の点検調査に力を注いでいる。大雨などで土砂災害が各地で頻繁に発生するようになった。こうしたことから、各地方自治体では土砂崩れ防止に積極的に取り組んでおり、同社のIT傾斜計が活躍している。これは地盤の微小な傾きも計測できるITセンサーを用いた地すべり観測システムで、災害など緊急を要する現場でも簡単に計測器を設置できるとして注目されている。

また、地盤の液状化強度を計測する「ラバル型大口径サンプラー」や地盤強度を連続的に測定できる「高速サウンディング」の引き合いがいずれも脚光を浴びている。さらにコンクリートの劣化診断や道路空洞化探査、つり橋の老朽化に伴う調査需要も拡大中だ。東日本大震災の復興関連需要が継続していることもあって、同社の業績は順調に推移している。

ちなみに、経常利益は2010年度の8800万円をボトムに、11年度9800万円、12年度1億8100万円、13年度2億4100万円、14年度2億7000万円、そして15年度2億9000万円(予想、前年度比7.4%増)を確保する見込みである。この時点で予想一株当たり利益は30円29銭(前期28円24銭)にアップする。

こうした流れは、当分の間、続くとみていいと考えられる。16年度には3億円台の経常利益が期待できよう。

PERは今期の一株当たり利益で計算すると、17.8倍。一株当たり純資産670円26銭(前期末)に基づいたPBRは0.8倍と割安だ。

少なくとも、PBR1倍前後の株価水準があってもおかしくないと判断してもいいだろう。580円に接近すると500円前後まで下押すパターンが続いていたが、こうした展開はそろそろ終焉局面を迎えていると思われる。将来的には、2014年1月高値670円を目指すことになりそうだ。時価の540円前後は迷わず拾いたい。

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