【株式評論家の視点】オンコリスバイオは9か月移動平均線に届く、11月4日に第3四半期決算を発表

株式評論家の視点

 オンコリスバイオファーマ<4588>(東マ)は、ウイルス学に立脚した技術を駆使して、がんや重症感染症の治療法にイノベーションを起こし、世界の医療に貢献することを使命として、がんや重症感染症領域に留まらず、オーファンドラッグ(希少疾病用医薬品)領域にも拡大し、難病治療に寄与することを目指している。

 がん・重症感染症領域で、「テロメライシンR」・「OBP-601(センサブジン)」という医薬品候補を持ち、それぞれ「第3のがん局所療法」、「新しい抗HIVカクテル療法の形成」をコンセプトとして、倫理的且つ科学的な医薬品開発基準に則ったヒトへの投与を行い、開発を進めている。また、市場規模の大きな疾患を対象としているため、開発の最終段階まで同社で行うのではなく、開発途上の段階で開発・販売権を大手製薬会社へ付与し、大手製薬会社が持つ開発資源や販売網を活かすことが、医療にイノベーションをもたらす最短経路と考えている。

 今2016年12月期業績実績は、売上高が4400万円(前年同期比6.3倍)、営業損益が4億1000万円の赤字(同5億0500万円の赤字)、経常損益が4億1600万円の赤字(同4億0500万円の赤字)、最終損益が4億1700万円の赤字(同4億0600万円の赤字)に着地。

 今16年12月期業績予想は、売上高が1億8800万円(前期比55.5%増)、、営業損益が12億7300万円の赤字(同9億5100万円の赤字)、経常損益が12億7300万円の赤字(同8億5400万円の赤字)、最終損益が12億7600万円の赤字(同8億5700万円の赤字)を見込む。

 株価は、米LBRレギュラトリー&クリニカル コンサルティング サービス社と、HIV感染症治療薬「OBP-601(センサブジン)」に関するオプション契約を締結するの発表を手掛かりに、6月7日に年初来高値2070円と買い進まれた後、6月24日安値911円と調整。その後、モミ合っている。10月20日にはがんの体外検査薬として開発を進めている「OBP-401(テロメスキャン)」について、DNAチップ研究所と、去勢抵抗性前立腺がん(CRPC)治療薬のコンパニオン診断薬としての可能性を検討する共同研究契約の締結を決定したと発表。また、「OBP-401」のほか、「OBP-1101(テロメスキャンF35)」の研究・開発・受託検査・ウイルス販売・ライセンス活動を推進していることも注目される。チャート的には、サポートラインとして意識される9か月移動平均線届いたことで値ごろ感はある。11月4日に予定される第3四半期決算の発表を機に切り返すか市場の関心を集めそうだ。(株式評論家・信濃川)

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■国際特許分類や元素リストを用いて多様な解決策を自動生成  AGC<5201>(東証プライム)は1…
  2. ■Newton・GR00T・Cosmosを軸にロボット研究を高速化  NVIDIA(NASDAQ:…
  3. ■700億パラメータ規模の自社LLMを金融仕様に強化、オンプレ環境で利用可能  リコー<7752>…
2025年11月
 12
3456789
10111213141516
17181920212223
24252627282930

ピックアップ記事

  1. ■日銀トレード再び、不動産株に眠る超割安銘柄  今週の投資コラムは、政策金利据え置きの投資セオリー…
  2. ■日銀据え置きでも冴えぬ不動産株、銀行株が主役に  株価の初期反応が何とも物足りない。10月30日…
  3. ■造船業再生へ3500億円投資要望、経済安全保障の要に  日本造船業界は、海上輸送が日本の貿易の9…
  4. ■高市政権が描く成長戦略、戦略投資テーマ株に資金集中  「連立政権トレード」は、早くも第2ラウンド…
  5. ■全市場のわずか1.4%、希少な高配当利回り銘柄が浮上  株式市場では、高配当利回りを持つ10月決…
  6. ■「高市祭り」への期待と警戒交錯、資金は安定配当株へシフト  10月終盤相場は、「高市祭り」か「高…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る