【編集長の視点】富士ソフトSBは連続最高利益を手掛かりに内需割安株買いが拡大して保ち合いを上放れ気配

 富士ソフトサービスビューロ<富士ソフトSB、6188>(JQS)は、前日19日に17円高の713円と続伸して引けた。同社株は、1株純資産水準での三角保ち合いに煮詰まり感を強めており、今3月期の連続増益業績や高水準継続の高配当を再評価して内需割安株買いが増勢となった。テクニカル的にも、価格帯別の累積売買高の厚い同水準を上放れれば、今年9月の戻り高値(787円)抜けから今年3月のIPO(新規株式公開)時の公開価格890円、初値1010円、さらに上場来高値1170円へのキャッチアップが期待されている。

■2Q業績は小幅下方修正も3月通期売り上げは新規受注案件が稼働して上方修正

 同社の今2017年3月期業績は、売り上げ80億円(前期比1.7%増)、営業利益2億7000万円(同7.8%増)、経常利益2億7000万円(同6.9%増)、純利益1億7200万円(同5.5%増)と続伸が予想、売り上げと経常利益は、過去最高を連続更新する。官公庁向けコールセンターサービス事業では、年金機構向けの新規業務や地方自治体向けのマイナンバー業務を受注し、BPO(業務処理の外部受託)サービスでは、データ入力業務や臨時福祉給付金給付に関する業務が順調に推移することなどが寄与する。

 こうした業務処理に対応して、同社は、今期4~9月期(第2四半期、2Q)に1000名規模の大型採用を実施、この先行費用発生で今期2Q累計業績を小幅下方修正したが、第3四半期以降は、北海道事務センターなど日本年金機構の全国7事務センター向けの新規受注案件が稼働するため、3月通期業績は、売り上げを期初予想より3億円上方修正し、利益は期初予想の据え置きとした。今期配当は、配当性向30%をメドとする利益還元方針に従って前期と同様に20円の高配当を継続する。

■1株純資産水準からPER9倍台の割安修正でまず公開価格にキャッチアップ

 株価は、英国の国民投票によるEU(欧州連合)離脱ショックで突っ込んだ上場来安値567円から相次ぐ新規案件受注などを評価して底上げ、配当権利付きの9月末に向けストップ高を交えて787円の戻り高値をつけ、その後、613円まで下値を探ったが、足元では、1株純資産707円水準での三角保ち合いを続けてきた。PER評価でも9倍台、配当利回りも2.80%と割安であり、公開価格890円奪回から上場来高値1170円を目指そう。(本紙編集長・浅妻昭二)

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