【編集長の視点】テクマトリックスは株式分割権利落ち後安値水準から反発、3Q連続最高業績を見直し中期経営計画も再評価

 テクマトリックス<3762>(東1)は、前日2日に21円高の1213円と反発して引け、今年2月28日につけた株式分割の権利落ち後安値1160円に並ぶ安値水準から底上げした。今年1月31日に発表した今3月期の2016年4月~12月期(第3四半期、3Q)業績が、2ケタ続伸して連続の過去最高更新となったことや、来期業績の高成長を目指す積極的な中期経営計画を見直し下げ過ぎ訂正買いが再燃した。経験則的にも、前回2013年3月末に実施した株式分割では、権利落ち後安値から今年2月高値2590円まで大きく5.5倍化しており、再現期待も底流している。

■セキュリティ製品の受注残が9%増と伸びアプリケーション・サービス事業も好調

 今期3Q業績は、売り上げ156億8900万円(前年同期比4.0%増)、営業利益10億400万円(同29.7%増)、経常利益9億8600万円(同26.9%増)、純利益6億1800万円(同38.2%増)と続伸し、売り上げ、利益とも3Q決算として過去最高を更新した。企業の設備投資が、AI(人工知能)IoT(モノのインターネット化)などの新技術分野向けに積極化するなか、次々と新ビジネスを立ち上げ、情報基盤事業では、セキュリティ関連製品の受注が、前期の大型案件の反動で若干減となったものの、受注残が9.9%増と伸長し、アプリケーション・サービス事業では、クラウドへのシフトで受注高が5.6%増、受注残が20.5%増とアップし、人件費の負担増を吸収して大きく続伸した。

 3月通期業績は、期初予想に変更はなく売り上げ223億円(前期比6.6%増)、営業利益16億5000万円(同19.4%増)、経常利益16億5000万円(同16.1%増)、純利益10億3000万円(同24.2%増)と見込み、通期業績として連続して過去最高を更新する。また中期経営計画「TMX3.0」では、最終年度の来2018年3月期業績の目標に売り上げ251億円、営業利益23億5000万円と掲げており、業績の高成長期待も強い。

■前回の株式分割では落ち後安値から5.5倍化し連想買いで一段の戻りに挑戦

 株価は、今年2月28日を基準日にして実施した株式分割(1株を2株に分割)を歓迎して昨年来高値2590円まで300円超高して2451円で権利を落とし、権利落ち後は、理論価格並みの1240円から落ち後安値1160円まで下ぶれ下げ過ぎを示唆している。前回の2013年3月31日を基準日にした単元株制度の採用(投資単位を100株に変更)も目的にした株式分割(1株を200株に分割)では、2013年6月の分割権利落ち後安値468円から今年2月高値まで5.5倍化しており、再現期待を高め一段の戻りを試そう。(本紙編集長・浅妻昭治)

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