建設技術研究所は英国のWaterman Group Plcの公開買い付けを決議

■ビルディング分野への進出を果たすと共に、世界で戦える総合コンサルタントへの成長を目指す

 建設コンサルタントの建設技術研究所<9621>(東1)は9日、英国のWaterman Group Plcの発行済み株式及び発行予定株式を対象とした公開買い付けを実施することを決議した。

 なお、今回の公開買い付けは友好的なものであり、Waterman Group Plcの取締役会は、全会一致で賛同している。

 国内の建設コンサルタントを取り巻く環境は、財政的な制約などから、公共投資が今後大きく伸びることは期待できない状況であるが、海外では発展途上国を中心にインフラ整備需要は極めて旺盛である。同社は、今後の成長を確保するためには、企業のグローバル化が必須であると認識していた。

 また、世界のコンサルティング・エンジニアリング市場においては、交通、エネルギー、ビルディングの3分野が主要市場を構成しており、全体の60%以上を占めているといわれている。これらの市場へ展開するためには、従来の同社の分野に加え、新しい技術・ノウハウを獲得してマルチインフラ企業としての体制も早期に構築していく必要があった。

 今回の公開買い付け対象企業であるWaterman Group Plcは、構造設計および設備設計を含むビルディング関連事業に強みを持っているほか、道路交通、環境などのインフラ業務も手掛けている。また、オーストラリア、アイルランドに現地子会社も持っている。

 そのため、同社は公開買い付けにより子会社化することで、ビルディング分野への進出を果たすと共に、共通するインフラ部門では相互に技術・人材の交流・補完を図ることによりシナジーの早期実現を目指し、世界で戦える総合コンサルタントへの成長を目指す。

 なお、公開買い付けに要する資金は、約65億27百万円。公開買い付け期間満了は、6月上旬から下旬を見込んでおり、決済の開始日は6月中旬から7月上旬を見込んでいる。

 ちなみに、Waterman Group Plcの16年6月期の業績は、売上高9132万ポンド、営業利益361万ポンド、税引き前利益346万4000ポンド、純利益269万ポンドであった。(1ポンド=140円で換算)

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