【どう見るこの相場】円高や政治リスクを警戒、決算発表で個別物色

どう見るこの相場

■引き続き円高や政治リスクを警戒、決算発表本格化で個別物色

 今週7月24日~28日の株式市場は、引き続き為替のドル安・円高や日米における政治リスクを警戒し、主要株価指数は膠着感の強い展開となりそうだ。4~6月期決算発表が本格化し、好材料の個別物色が中心となるが、自動車関連セクターで上方修正の動きが出れば市場全体に安心感が広がる可能性もありそうだ。

 前週7月18日~21日は全体として膠着感の強い展開だった。ただし為替が1ドル=111円近辺までドル安・円高方向に傾いたにもかかわらず、日経平均株価が終値で2万円台を維持して1週間の取引を終了したことを考慮すれば、底堅い展開だったとも言えそうだ。

 今週は引き続き為替のドル安・円高や日米における政治リスクが警戒されそうだ。特に安倍内閣の支持率急落を海外投資家が嫌気する可能性があり、当面は予算委員会の閉会中審査(24日衆院、25日参院)の内容、その後のマスコミ各社の報道や世論調査が注目される。

 また25日~26日開催の米FOMC(連邦公開市場委員会)に関しては、今回はイエレン米FRB(連邦準備制度理事会)議長の記者会見が無いため、金融政策の現状維持が予想されているが、FOMC声明(26日公表)で追加利上げペースやバランスシート縮小に対する文言が注目されている。内容次第では為替が乱高下する可能性もあるだろう。

■好材料の個別物色が中心だが、自動車関連セクターの動向も焦点

 日本でも4~6月期決算発表が本格化する。この結果を受けて、市場予想を上回る好業績や業績上方修正などの好材料が出た銘柄の個別物色が中心となるが、自動車関連セクターで通期予想を上方修正する動きが出れば、市場全体に安心感が広がる可能性もありそうだ。

 また米国「FANG」銘柄が出直りの動きを強めているため、ハイテク・ゲーム・バイオ関連などの人気株の動向も焦点となる。こうした銘柄に短期資金が集まれば、再び中小型株主導の展開となる可能性があるだろう。

 なお決算発表銘柄に関しては、好業績でも発表直後に急落するという決算発表シーズン特有の仕掛け的な動きに注意が必要となることは頭に入れておきたい。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■東京大学発スタートアップが開発、19自由度のヒューマノイドロボット  東京大学発スタートアップH…
  2. ■売却面積は約1.6倍に、総額1,785億円超の譲渡価額  東京商工リサーチは6月30日、2024…
  3. ■従来の検索では見つけられなかった本との出会いを創出  富士通<6702>(東証プライム)傘下の富…
2025年8月
 123
45678910
11121314151617
18192021222324
25262728293031

ピックアップ記事

  1. 【ダブルセット・フルセット銘柄、夏休み明けも底堅さに期待】 ■上方修正・増配・株式分割の好材料銘柄…
  2. ■上方修正・下方修正問わず買い集まる異例の展開  3連休入りした9日の成田空港では、夏休みを海外で…
  3. ■株主還元強化が市場の安心材料に  東京エレクトロン<8035>は8月1日、2025年3月期の業績…
  4. ■市場の霧が晴れ始めた、個別銘柄の好調が投資家を惹きつける  前週31日の植田和男日銀総裁の記者会…
  5. ■利上げか、現状維持か?日銀総裁の決断で明暗分かれる8月相場  日銀の金融政策を巡る不確実性が続く…
  6. ■選挙惨敗の石破首相に退陣要求、政局混迷の行方  まるで狂言の『乳切木』(ちぎりき)を観るようであ…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る