【株式評論家の視点】ホットランドは今期経常減益も営業益続伸、中期買い場水準

株式評論家の視点

ホットランド<3196>(東マ・売買単位100株)の2015年12月期は10.5%の経常減益見通しであることが嫌気されて、軟調相場となっている。しかし、高収益をキープし、積極的な出店で中長期的には高成長が期待されることから、下押し場面は中期での買い場とみられる。

同社は、たこ焼きの「築地銀だこ」のほか、薄皮たい焼き「銀のあん」、アイスクリーム「COLD STONE CREAMERY」(コールド・ストーン・クリーマリー)などを店舗展開。日本国内で500店以上、海外で20店以上の店舗数となっている。主力の「築地銀だこ」は外側の皮がパリッとして、中はトロットしていることが人気を呼び、リピーター客の獲得につながっている。また、商品を単品に絞り込むことで、低コストで小スペースでの出店が可能となり、効率アップに威力を発揮。今期は50店舗以上の出店が計画されている。

2014年12月期の業績は売上高273億8800万円(前々期比33.0%増)、営業利益17億8300万円(同2.9倍)、経常利益20億5200万円(同98.4%増)、当期純利益9億4200万円(同7.0倍)と大幅な増収増益だった。

続く2015年12月期は売上高304億1900万円(同11.1%増)、営業利益19億200万円(同6.6%増)、経常利益18億3600万円(同10.5%減)、当期純利益10億円(同6.1%増)と増収、経常減益となる見通し。これは出店経費がかさむうえに、材料の「真だこ」の陸上完全養殖(平成27年中を目指す)など先行投資が負担増加となるためだ。

しかし、今後高成長を維持するための体制作りが着々と進行している点を評価しないといけない。また、予想一株当り利益は今期110円95銭(前期112円52銭)と高収益を確保する。

東証マザーズに2014年9月に上場。公募価格2110円を下回る2071円まで売られたが、その後、2015年1月には3680円の高値を示現。足元では、利食い売りが台頭し、今期経常減益となることが嫌気されて2800円前後まで下押した。今後、先行投資が結実すると再度、経常利益は増益に転じることが期待される。中期投資で注目できそうだ。(志木克己)

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