【株式評論家の視点】PCIホールディングスは今期増収増益を観測、突っ込み買い妙味膨らむ

株式評論家の視点

 PCIホールディングス<3918>(東マ)は、昨年8月4日に東京証券取引所マザーズ市場に上場。本年9月12日に同市場第一部へ市場変更した。IT業界で同じ価値観と方向性を持つPCIソリューションズ株式会社、PCIアイオス株式会社、Inspiration株式会社の3つの事業会社を持つ純粋持株会社として、グループの戦略策定、経営資源の最適配分、事業子会社の経営の監督を通じグループ業績の向上に注力している。

 エンベデッドソリューション事業では、自動車、重機、建機等に必要不可欠な制御ソフトウェアの開発、移動体通信等の通信インフラとなる電気通信分野向け装置の開発及びその他情報家電機器、各種産業機器や半導体製造装置等の制御ソフトウェアの開発を行っている。ビジネスソリューション事業では、金融・製造・流通・その他企業向けの一般情報系ソフトウェア開発及び交通・放送等の社会インフラ系ソフトウェア開発、オープンソースソフトウェアをコアとした顧客の要求に基づくITシステムの構築を行っている。IoT/IoEソリューション事業では、エンベデッドソリューション事業における数多くの開発実績を背景に、IoT/IoE技術のベースとなる通信技術・組込制御技術・アプリケーション技術といった同社グループの強みを活かし、ソリューションの提案あるいは顧客企業と共同開発を行っている。

 前2016年9月期第3四半期業績実績は、売上高が62億6800万円(前年同期比、6.5%増)、営業利益が4億8500万円(同8.6%増)、経常利益4億9600万円(同9.3%増)、純利益が3億3600万円(同25.1%増)に着地。

 前16年9月期通期業績予想は、売上高が84億5000万円(前の期比7.8%増)、営業利益が5億8000万円(同6.0%増)、経常利益5億8000万円(同6.5%増)、純利益3億6000万円(同8.8%増)を見込んでいる。年間配当は期末一括50円を予定している。

 株価は、3月29日につけた年初来高値3400円から6月24日に年初来安値1802円と調整。その後、2400円を軸にモミ合っている。同社グループは、得意とする通信技術・組込み制御技術とアプリケーション開発技術の応用によるIoT関連技術を活用した協業事業を推進しているほか、同社グループが事業主体として参画している「V2Xユニット」を活用した神戸市による「市バスを情報通信基地とする実証実験」の開始や、総務省主催の「非常時のアドホック通信ネットワークの活用に関する研究会」への構成員として参画など、「安心・安全・豊かな社会」の実現と次世代技術の創出に向けた研究開発に注力していることから、今17年9月期も増収増益が観測されている。今月10日に予定される9月期本決算の発表を前に突っ込む場面があれば、買い妙味が膨らみそうだ。(株式評論家・信濃川)

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■AIとベイジアンネットワーク解析で165項目を抽出、複雑な因果関係を構造化  大正製薬は11月2…
  2. ■Blackwell GPU2140基で研究競争力を拡大  NVIDIA(NVDA:NASDAQ)…
  3. ■銀座の呉服店「むら田」店主・村田あき子の語りをまとめた書籍  KADOKAWA<9468>(東証…
2025年12月
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
293031  

ピックアップ記事

  1. ■日銀イベント通過で円高前提、紙・パ株が師走相場の主役候補  今週のコラムは、日銀の金融政策決定会…
  2. ■FOMC通過も市場は波乱、金利と為替に残る違和感  FRB(米連邦準備制度理事会)のFOMC(公…
  3. ■眠れる6900トンの金が動き出す、「都市鉱山」開発でリデュース株に追い風  今週の当コラムは、金…
  4. ■天下分け目の12月10日、FRB利下げで年末相場は天国か地獄か?  天下分け目の12月10日であ…
  5. ■AI・データセンター需要拡大に対応、測定能力は従来比最大2倍  リガク・ホールディングス<268…
  6. ■売り方手仕舞いで需給改善が後押し  師走相場では、リスクの大きい銘柄であっても、逆日歩のつく信用…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る