【編集長の視点】東証1部上場のハイマックスは好需給思惑と割安株買いが再燃し反発

編集長の視点

 ハイマックス<4299>(東1)は、きょう6日に東証第2部から東証第1部に指定替えされ売買がスタートしているが、前日の東証第2部終値に対して20円高の1240円と通算して3日ぶりに反発し、今年3月2日につけた昨年来高値1326円を再び意識する動きを強めている。

 指定替えにより東証株価指数(TOPIX)に参入されTOPIX連動型のファンドなどの買い需要が発生する需給好転思惑買いが再燃している。また今3月期純利益が、13期ぶりに過去最高を更新すると予想、期末配当に記念配当が上積みされることも見直し割安株・好配当利回り株買いも交錯している。

■今期純利益は13期ぶりに過去最高を更新し期末に記念増配

同社の株価は、2月27日に東証第1部指定替えが承認され、承認に際して新株式発行などの希薄化懸念材料が伴わなかったことから窓を開けて昨年来高値まで約27%の急伸を演じ、3月2日には指定替え記念配当5円を上乗せして期末配当を17.5円、年間配当を30円(前期実績25円)に増配することを発表したが、反応は限定的で、窓埋めの高値もみ合いを続けてきた。この株価水準は、PER9倍台、PBR1.05倍、配当利回り2.41%と割安であり、今後のTOPIX算入に伴う需給好転からも再度の上値追いが期待十分である。

同社は投資バリュー面も申し分なく、今3月期業績は、売り上げ100億円(前期比7.2%増)、経常利益7億1700万円(同0.3%増)、純利益6億2900万円(同53.3%増)と予想、純利益は、2002年3月期の過去最高(5億5200万円)を更新する。

システムソリューションサービスは、銀行業界向けのシステム基盤案件や、公共・流通・クレジットなどの非金融業界向けを中心に拡大し、システム稼働後に提供するシステム・メンテナンスサービスでは、非金融業界向け案件を継続的な保守フェーズで受注することなどが要因となるもので、純利益は、退職一時年金制度を確定拠出年金制度に移行することから改定に伴う特別利益3億1600万円を計上することで増益率を拡大する。

しかも、この業績は上ぶれの可能性がある。今年2月に開示した今期第3四半期(3Q)業績が、前年同期比13.3%増収、32.1%経常増益、2.10倍純益増益で着地し、通期業績対比の利益進捗率は、87~92%と目安の75%を大きく上回ったためだ。

■昨年来高値抜けから2002年の2部上場来高値を目指す

株価は、3Q好決算を評価して1100円台に乗せ、東証1部指定替えとともに昨年来高値を更新、高値もみ合いとなっているが、投資採算的には割安で高値抜けから一段の上値追いが有力となる。2004年3月につけた2部上場後高値1980円を目指そう。(本紙編集長・浅妻昭治)

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■国際特許分類や元素リストを用いて多様な解決策を自動生成  AGC<5201>(東証プライム)は1…
  2. ■Newton・GR00T・Cosmosを軸にロボット研究を高速化  NVIDIA(NASDAQ:…
  3. ■700億パラメータ規模の自社LLMを金融仕様に強化、オンプレ環境で利用可能  リコー<7752>…
2025年11月
 12
3456789
10111213141516
17181920212223
24252627282930

ピックアップ記事

  1. ■鶏卵高騰・クマ被害・米政策転換、市場が注視する「3素材」  2025年11月、師走相場入りを前に…
  2. ■AI株からバリュー株へ資金移動、巨大テックの勢い一服  「AIの次はバリュー株」と合唱が起こって…
  3. ■日銀トレード再び、不動産株に眠る超割安銘柄  今週の投資コラムは、政策金利据え置きの投資セオリー…
  4. ■日銀据え置きでも冴えぬ不動産株、銀行株が主役に  株価の初期反応が何とも物足りない。10月30日…
  5. ■造船業再生へ3500億円投資要望、経済安全保障の要に  日本造船業界は、海上輸送が日本の貿易の9…
  6. ■高市政権が描く成長戦略、戦略投資テーマ株に資金集中  「連立政権トレード」は、早くも第2ラウンド…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る