【編集長の視点】大阪有機はもみ合いも3Q好決算に自己株式取得がオンして割安修正余地

編集長の視点

大阪有機化学工業<4187>(東1)は、24円高の674円と4営業日続伸して始まったあと、20円安と下ぶれるなどもみ合いに変わっている。週末2日大引け後に今11月期第3四半期(3Q)業績の連続2ケタ増益と自己株式取得・自己株式立会外買付取引を発表、値ごろ妙味の割安株買いが増勢となったが、目先の利益を確定する売り物も交錯している。ただテクニカル的にきょう5日の高値は、この8月以来の100円幅のボックス圏を上抜いており、引き続き下値買いからの上放れ妙味も示唆している。

■主力製品のシェアが拡大し拡販効果で採算性も改善

3Q業績は、前年同期比2.6%増収、17.8%経常増益、26.6%純益増益と続伸した。化成品事業では、主力のアクリル酸エステルが、自動車塗料樹脂関連向けに堅調に推移し、電子材料事業では、半導体材料の需要が好調に伸び、この主力製品のシェア拡大と拡販による採算性の改善が寄与して連続の2ケタ増益となった。11月通期業績は、今年6月19日の上方修正値を据え置き、売り上げ239億700万円(前期比0.8%増)、経常利益18億7100万円(同27.5%増)、純利益12億500万円(同35.2%増)と見込んでいる。

一方、自己株式取得は、資本効率を高めることにより企業価値の向上を図ることを目的に、取得上限を55万株(発行済み株式総数の2.40%)、取得総額を3億8500万円、取得期間を10月5日から来年1月29日までとして実施する。このうち7万株をきょう5日の寄り付き前に自己株式立会外買付取引として実施予定で、取得価格は、前週末2日終値650円とする。

■調整幅の半値戻しもなおPER11倍台、PBR0.6倍、配当利回り2.2%

株価は、今年6月の今期業績の上方修正が今期の年間配当の14円(前期実績10円)への増配も伴ったことから一直線に年初来高値775円まで47%高し、その後の全般相場の波乱とともにほぼ往って来いの552円まで調整し、25日移動平均線割れを下げ過ぎとしてこの調整幅の半値戻し水準までリバウンドした。PERはなお11倍台、PBRは0.6倍、年間配当利回りは2.2%と割安であり、高値奪回から一段の上値チャレンジが続こう。(本紙編集長・浅妻昭治)

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