アンジェスは急動意、HGF遺伝子治療薬(重症虚血肢)の承認申請を発表

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 アンジェス<4563>(東マ)は、遺伝子治療薬、核酸医薬、DNAワクチンの開発を推進している。重症虚血肢を対象とするHGF遺伝子治療薬について1月22日、厚生労働省に対する再生医療等製品としての製造販売承認申請を発表した。これを好感して株価は急動意の展開だ。また17年12月期連結業績予想の修正も発表している。決算発表は2月2日の予定である。

■HGF遺伝子治療薬(重症虚血肢)などの開発を重点推進

 重点的に推進する開発プロジェクトは、重症虚血肢を対象とするHGF遺伝子治療薬、椎間板性腰痛症を対象とするNF-kBデコイオリゴDNA、高血圧を対象とするDNAワクチンとしている。

 重症虚血肢を対象とするHGF遺伝子治療薬は1月22日、厚生労働省に対する再生医療等製品としての製造販売承認申請を発表した。承認を得た場合、国内初の遺伝子治療薬となる。販売に関しては田辺三菱製薬と、国内および米国における独占的販売契約を締結している。17年12月には、米スタンフォード大学に研究拠点を設置し、HGFの臨床開発をはじめ、将来事業に向けて協業を拡大すると発表している。

 椎間板性腰痛症を対象とするNF-kBデコイオリゴDNAは、17年4月に米食品医薬品局(FDA)から新薬臨床試験開始届け(IND)の承認を取得した。カリフォルニア州立大学サンディエゴ校など、米国数ヶ所の施設において第1b相臨床試験を実施する予定で、17年後半の投与開始を目指している。

 17年9月には、尋常性乾癬(かんせん)を対象としたNF-kBデコイオリゴDNAに関する特許が欧州特許庁において登録されたと発表した。日本では既に12年5月に登録されている。

 高血圧を対象としたDNAワクチンは、第1・2相臨床試験開始に向けて17年7月、オーストラリアの規制当局である薬品・医薬品行政局(TGA)に臨床試験届け(CTN)を提出した。その後TGAから事務的な手続に関する追加要求を受けたため、要求事項について対応を続けており、治験開始は18年となる見込みだ。

 なお17年12月には、DNAワクチン技術を用いたエボラ出血熱抗血清製剤の開発に関して、マウスを使った動物試験の中間報告で良好な結果が得られたと発表している。早期実用化に向けて開発を進める。

■17年12月期は赤字縮小予想

 17年12月期の連結業績予想は1月22日に修正を発表した。売上高は据え置いて3億60百万円、営業利益は1億円増額して33億円の赤字、経常利益は1億円増額して33億円の赤字、純利益は3億60百万円減額して37億60百万円の赤字としている。前期との比較で赤字が縮小する見込みだ。特別利益には投資有価証券売却益および新株予約権戻入益、特別損失には投資有価証券評価損および固定資産減損損失を計上した。

 資金調達については、17年9月に第31回新株予約権(リーディング証券に対する第三者割当方式、行使価額修正条項付、総数12万個=1200万株)を発行している。17年11月末時点の未行使数は11万個(=1100万株)である。

■株価は急動意

 1月22日の株価はHGF遺伝子治療薬承認申請発表を好感してストップ高水準の769円まで急伸した。急動意の展開だ。1月22日の終値は769円、時価総額は約613億円である。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)

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