オンコリスバイオファーマは米バイオベンチャーのアンリーシュ社と資本提携及び株式譲受契約を締結することを決議

■アンリーシュ社が新たに発行する転換社債300万米ドルを引受ける

 オンコリスバイオファーマ<4588>(東マ)は、2月16日開催の取締役会で、新規腫瘍溶解アデノウイルス開発に特化した、米バイオベンチャーのアンリーシュ社と資本提携及び株式譲受契約を締結することを決議した。

 デイビット・キュリエル教授が2015年に設立したアンリーシュ社が保有する腫瘍溶解ウイルスUIO‐512は、遺伝子改変アデノウイルスであり、悪性細胞と(malignant cells)と癌関連間質細胞(Tumor-associated stroma cells)の両方を標的とする特性を生かし、難治性固形がんを対象として研究開発が進められている。更に、アンリーシュ社が保有する腫瘍溶解ウイルスUIO‐702は、ウイルスファイバーにラクダの抗体を付加することにより、ヒト免疫を回避できるように改変されたウイルスで、これまで実現できなかった全身投与による転移性腫瘍への適応の可能性を探索している。

 同社は、デイビット・キュリエル教授が2016年に設立したワシントン大学発のバイオベンチャーであるプレシジョン社と、2017年3月に資本提携契約を締結している。アンリーシュ社はプレシジョン社普通株式8.4%を保有しており、同社は今回、同時にこれを譲り受ける。

 これらにより、遺伝子改変アデノウイルスのパイプラインを擁し世界トップクラスの技術を有する2社との関係をより強固なものとし、オンコリスバイオファーマが国内外で研究開発を推進しているテロメライシン(R)(OBP‐301)をはじめとする「遺伝子改変アデノウイルスを用いたがんのウイルス療法」のプラットフォームを拡大し、「がんと重症感染症」パイプラインを推進し、将来的なビジネスチャンス拡大につなげる計画。

 同社は、アンリーシュ社の研究開発状況を把握する目的で、取締役1名の派遣を行う予定。

 また、同社は、アンリーシュ社が新たに発行する転換社債300万米ドルの引受を行います。同社が転換社債を全て権利行使した場合の議決権比率は、約27%となる見込み。

 更に、同社は、アンリーシュ社が保有するプレシジョン社普通株式294,118株(約8.4%)を33万米ドル(1ドル=112円換算で3,696万円)で取得する。これにより、同社が保有するプレシジョン社の議決権比率は約23%となる見込み。

 アンリーシュ社とプレシジョン社は同社の持分法適用関連会社には該当しないため、本件による平成30年12月期業績への影響は無いとしている。

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