【編集長の視点】デュアルタップは分割落ち後高値を射程、2Q高利益進捗率業績を手掛かりに業績上方修正を催促

 デュアルタップ<3469>(JQS)は、前週末30日に25円高の1545円と反発して引け、取引時間中には1567円まで買われ今年3月16日につけた株式分割の権利落ち後高値1640円を射程圏に捉えた。今年2月9日に発表した今2018年6月期第2四半期(2017年7月~12月期、2Q)累計業績で、利益がすでに6月期通期の年間予想値を上ぶれて着地したことを手掛かりに通期業績の上方修正を催促し割安内需株買いが再燃した。株価習性的にも、同株式分割発表でストップ高を交えて上場来高値4770円まで短期2000円高、7割高した急騰癖の再現期待を高めている。

■2Q6カ月の利益が通期予想業績を1億700万円~1億7100万円も上回る

 今期2Q累計業績は、売り上げが前年同期比36.5%増の64億8400万円と大きく続伸し、営業利益は5億7100万円(前年同期は1億2100万円)、経常利益は5億3600万円(同6200万円)、純利益は3億7100万円(同3300万円)とそれぞれ大幅増益となり、利益は、6カ月実績ですでに6月期通期予想を1億700万円から1億7100万円も上回った。投資用マンションの分譲戸数は、121戸と前年同期の159戸から減少したが、一棟売りの大口取引の割合が低下して売上高総利益は改善するとともに、函館市の賃貸用ホテルを売却し、賃貸管理戸数も、前期末の1560戸からさらに1620戸へ拡大し入居率も高水準で推移したことなどが寄与した。

 6月通期業績は、期初予想を据え置き販売戸数を271戸(前期実績は297戸)、賃貸管理戸数を1806戸(同1560戸)とし、売り上げ102億8900万円(前期比6.1%増)、営業利益4億6300万円(同2.1%増)、経常利益3億8800万円(同12.3%増)、純利益2億6400万円(同20.2%増)と見込んでいるが、今期2Q累計業績の高利益進捗率から上方修正期待が強い。東洋経済会社四季報最新号では、今期純利益が、3億5000万円と2015年6月期の過去最高(2億9300万円)を3期ぶりに更新すると観測している。

■株式分割歓迎で7割高し分割落ち後は売られ過ぎ修正で8割高と急騰を繰り返す

 株価は、今年1月19日に発表した株式分割(1株を3株に分割、基準日2月8日)を歓迎してストップ高、上場来高値4770円まで71%高し3525円で株式分割の権利を落とした。分割権利落ち後は、世界同時株安も重なって918円安値まで調整、理論価格を下回るのは売られ過ぎとして25日移動平均線で下値を確認しながら底上げ、安値時に発表した今期2Qの好決算やIoT(モノのインターネット化)導入の次世代型賃貸マンション「XEBEC長原」の完成も加わって分割権利落ち後高値1650円へ78%高、足元では再び25日線で下値を確認している。PERは、会社予想ベースでは16倍台だが、会社四季報観測ベースでは14倍台と割安であり、分割落ち後高値抜けから一段の権利落ち埋めにチャレンジしよう。(本紙編集長・浅妻昭治)

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