ワークマンは3月既存店売上112.5%と好調、18年3月期は上振れの可能性で19年3月期も収益拡大基調

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 ワークマン<7564>(JQ)はワーキングウェア・作業用品専門店チェーンをFC中心に全国展開している。ローコスト経営を特徴としてPB商品の拡販も強化している。3月の既存店売上は112.5%と好調だった。18年3月期は7期連続最高純益更新予想で、上振れの可能性が高いだろう。そして19年3月期も収益拡大基調だろう。株価は3月の上場来高値圏から一旦反落したが、自律調整一巡して上値を試す展開が期待される。なお5月8日に18年3月期決算発表を予定している。

■ワーキングウェア・作業用品の専門店チェーンを全国展開

 ワーキングウェアや作業用品などの大型専門店チェーンをFC中心に全国展開している。ローコスト経営を特徴としてELP(エブリデー・ロー・プライス)戦略を推進し、他社との差別化戦略としてPB商品「WORKMAN BEST」の拡販、販売分析データの活用や単品管理プロジェクトの推進、緻密な品揃えと地域特性に合わせた売り場づくりなどを強化している。収益面では冬物商品が主力となる第3四半期の構成比が高い特性がある。

■18年3月期は7期連続最高純益更新予想、さらに上振れの可能性

 18年3月期の非連結業績予想は、チェーン全店売上高が17年3月期比4.0%増の772億60百万円、営業総収入が4.2%増の542億40百万円、営業利益が6.0%増の101億20百万円、経常利益が5.2%増の112億90百万円、純利益が3.6%増の73億90百万円としている。配当予想は17年3月期と同額の年間53円(期末一括)としている。予想配当性向は29.2%である。

 既存店の堅調推移、新規出店、PB商品売上構成比上昇による売上総利益率上昇などで7期連続最高純益更新予想である。店舗展開は新規出店30店舗、閉店6店舗、S&B4店舗で、期末総店舗数は24店舗増加の821店舗(FC比率は1.7ポイント上昇の84.5%)の計画だ。既存店売上高は101.8%(客数100.5%前後、客単価101.3%前後)で、PB商品売上高は25%増の240億円、PB商品比率は30%の計画である。

 第3四半期累計は前年同期との比較で、チェーン全店売上高が7.3%増の624億41百万円となり、営業総収入が7.6%増の435億円、営業利益が9.0%増の85億03百万円、経常利益が8.4%増の94億02百万円、純利益が7.8%増の58億43百万円だった。

 既存店売上が104.7%と好調に推移した。店舗展開は新規出店23店舗、閉店6店舗、S&B4店舗で、17年12月末の店舗数は814店舗(16年12月末比22店舗増加)となった。売上総利益率は67.9%で1.0ポイント上昇、営業総利益率は36.5%で0.4ポイント上昇した。PB商品の好調などが寄与した。PB商品売上高は32.3%増の199億88百万円、PB商品比率は6.0ポイント上昇して32.1%となった。販管費比率は17.0%で0.2ポイント上昇した。

 通期予想に対する第3四半期累計の進捗率はチェーン全店売上高80.8%、営業総収入80.2%、営業利益84.0%、経常利益83.3%、純利益79.0%と高水準である。

 また月次の売上高(FC店と直営店の店舗売上高合計、前年比速報値)を見ると、18年3月は全店114.8%、既存店112.5%だった。気温上昇で春夏衣料が好調だった。既存店売上は6ヶ月連続プラスだった。17年4月~18年3月累計は全店107.3%、既存店104.7%となった。店舗展開は新規出店30店舗、閉店6店舗で、18年3月末店舗数821店舗となった。

 18年3月期通期予想に上振れの可能性がありそうだ。そして19年3月期も収益拡大基調だろう。

■株価は自律調整一巡して上値試す

 株価は3月9日の上場来高値5290円から利益確定売りで一旦反落したが、大きく下押す動きは見られない。自律調整の範囲だろう。

 4月2日の終値4995円を指標面で見ると、前期推定PER(会社予想のEPS181円29銭で算出)は27~28倍近辺、前期推定配当利回り(会社予想の年間53円で算出)は1.1%近辺、前々期実績PBR(前々期実績のBPS1317円34銭で算出)は3.8倍近辺である。時価総額は約2044億円である。

 週足チャートで見ると13週移動平均線がサポートラインだ。自律調整一巡して上値を試す展開が期待される。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)

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