【業績で見る株価】エコポイント享受の積水ハウス、今期も最高益、PER12倍台に割安感

積水ハウス 1928

業績でみる株価 積水ハウス<1928>(東1部・売買単位100株)の2016年1月期は前期に続き営業、経常利益ともに過去最高益を更新する見込みである。株価はこれまでの上値抵抗ラインと見られてきた1600円前後を払拭して、一段高の様相を強めている。

 積水ハウスは、9日の新高値の後、前週は週足で下ヒゲ足を引き、短期調整を終え上値の見込める動きといえる。

 鉄骨を主体とした住宅の大手メーカーである。全国で直販体制を確立しており、販売力の強さには定評のあるところで木造住宅やアパート建設、さらに最近ではリフォーム事業の育成に力を注いでいる。

 こうした中、政府は省エネ住宅の普及を目指して、「省エネ住宅ポイント」制度を推進。この申請受付が3月10日からスタートした。この制度の対象が水回りなどの設備単独のリフォームにも広がり、同社はこれを契機にリフォーム事業の拡大を図る意向だ。1戸当たり商品券に交換できるポイントは最大で30万ポイント(1ポイント1円相当)。耐震工事を加えると消費者は最大45万ポイントを受けることができる。

 加えて同社は独自の優遇策も実施する。断熱改修など改修費を10%割り引くことにした。こうした対策を背景にして、2016年1月期のリフォーム事業の売上高は約70%増の130億円が見込まれている。

 しかも、戸建て住宅の建設事業も順調に推移しており、2016年1月期全体の業績は売上高1兆9300億円(前期比0.9%増)、営業利益1530億円(同4.4%増)、経常利益1590億円(同1.6%増)、当期純利益930億円(同3.1%増)と増収増益を最低確保する見通しである。とくに、営業、経常利益ともに過去最高益を更新する。このため、予想一株当利益は132円96銭(前期130円91銭)に向上する。

 PERは12.8倍、PBRは1.11倍といずれも低く、依然として割安水準に放置されている。株価は上値慕いの展開を示している。2014年12月の高値1646円を奪還して、2015年3月には1700円台に乗せた。買い方の回転はいっそう効いていることから2000円台乗せを期待できる展開となってきたようだ。

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