【株式評論家の視点】ユナイテッド&コレクティブは、2期ぶり最高益更新に株主優待開始、押し目買い妙味膨らむ

株式評論家の視点

 ユナイテッド&コレクティブ<3557>(東マ)は、2017年2月23日に東京証券取引所マザーズに上場。同社は、飲食店の経営を行っているが、独自戦略(PISP)「手頃に本当に美味しい料理を多くの人々に届けるための戦略。」を展開し、大手飲食チェーン店では諦めてしまった店内での仕込み調理を実践しながら、一部作業を外部委託することで生産性を高め、美味しさと手頃な価格の両立を実現している。2018年4月17日現在、てけてけ(63店舗)・the 3rd Burger(6店舗)・ 心(2店舗)を運営している。

 てけてけでは、高度成長期をコンセプトにした店内で、鶏肉を生のままから焼き上げるこだわりの「塩つくね」や、同社オリジナルの濃厚コラーゲンスープを使った「博多水炊き」などの鶏料理を中心に居酒屋を運営しているが、てけてけでしか飲めない自家製サワーやオリジナル日本酒・焼酎なども充実している。

 the 3rd Burgerでは、毎日食べても体が喜ぶ、これまでにない第3のハンバーガーカフェを運営している。バンズは、保存剤・防腐剤を加えることなく、パン種を毎日各店舗で発酵させ、オーブンで焼き上げ、パティは、生のブロック肉を毎日各店舗でカットしミンチにして成形を行っている。

 前2018年2月期業績実績は、売上高63億4800万円(前の期比15.9%増)、営業利益2億0100万円(同20.7%減)、経常利益1億6600万円(同25.9%減)、純利益9900万円(同47.7%減)に着地。新規出店目標22店舗のうち、15店舗出店にとどまったうえ、酒税法改正によりビールを中心に酒類の仕入価格が上昇したことが響いた。

 今19年2月期業績予想は、売上高84億8500万円(前期比33.7%増)、営業利益2億6900万円(同33.4%増)、経常利益2億3600万円(同42.6%増)、純利益1億3100万円(同32.8%増)を見込む。新規出店は25店舗を計画しているが、第1四半期までに合計10店舗の出店が決定しており、出店計画は順調に推移しており、2期ぶりに最高益を更新する見通し。

 2019年2月28日現在の株主名簿に記載された株主を対象として、株主優待制度を開始。1年超(2月・8月・翌年2月と3回連続で同一株主番号にて株主名簿に記載されている)かつ、100株(1単元)以上保有の株主が対象。ただし、初回となる19年2月基準については、18年8月から19年2月の半年以上保有した株主を対象に保有株に応じてお食事ご優待券の贈呈を予定している。

 株価は、1月30日につけた分割前の高値4350円から4月10日につけた分割後の安値1871円まで調整。2期ぶりに最高益を更新する見通しに加え、株主優待制度の開始を好感し、4月24日に分割後の高値3400円と上昇。その後、モミ合っている。第1四半期決算が順調に推移すれば、上昇基調を強めることが予想されるため、押し目買い妙味が膨らみそうだ。(株式評論家・信濃川)

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■東京大学発スタートアップが開発、19自由度のヒューマノイドロボット  東京大学発スタートアップH…
  2. ■売却面積は約1.6倍に、総額1,785億円超の譲渡価額  東京商工リサーチは6月30日、2024…
  3. ■従来の検索では見つけられなかった本との出会いを創出  富士通<6702>(東証プライム)傘下の富…
2025年8月
 123
45678910
11121314151617
18192021222324
25262728293031

ピックアップ記事

  1. ■株主還元強化が市場の安心材料に  東京エレクトロン<8035>は8月1日、2025年3月期の業績…
  2. ■市場の霧が晴れ始めた、個別銘柄の好調が投資家を惹きつける  前週31日の植田和男日銀総裁の記者会…
  3. ■利上げか、現状維持か?日銀総裁の決断で明暗分かれる8月相場  日銀の金融政策を巡る不確実性が続く…
  4. ■選挙惨敗の石破首相に退陣要求、政局混迷の行方  まるで狂言の『乳切木』(ちぎりき)を観るようであ…
  5. ■九州地盤銘柄に割安感、福証単独上場企業にも注目集まる  東京エレクトロンやアドバンテストなどの半…
  6. ■参院選で与党過半数割れ、石破政権の行方不透明に  7月20日投開票の参議院議員選挙は、大手メディ…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る