【株式評論家の視点】マーキュリアは営業2ケタ増益見通しで割安感

株式評論家の視点

 マーキュリアインベストメント<7190>(東2)は、10月17日に東京証券取引所第二部に上場した。クロスボーダー(国や地域を超えること、既存のビジネスの枠組みにとらわれずに挑戦すること)をコンセプトとして、様々な投資戦略のもとファンド運用を行っている。投資運用事業の単一セグメントだが、主な収益源は国内外投資家の資金を投資事業組合等のファンドを通じて運用を行うファンド運用事業と自己資金の運用を行う自己投資事業の2つの事業となっている。

 ファンド運用事業では、投資事業組合等のファンドを組成し、国内外投資家から資金調達、投資対象の発掘、投資対象への投資実行、投資対象のモニタリング、投資対象の売却等による投資回収等の管理運営業務を行うことでファンドより定期的・継続的に発生する管理報酬を得ているほか、ファンドの投資家に対する分配実績に応じてファンドより不定期に発生する成功報酬を得ている。自己投資事業では、主に同社が管理運営を行うファンドに対して自己投資を実行し、ファンドからの持分利益を得ているほか、自己投資対象からの配当や自己投資対象の売却による売却収入を得ている。

 今2016年12月期第2四半期業績は、売上高が14億0500万円、営業利益が7億1300万円、経常利益が6億9000万円、純利益が4億7600万円に着地。

 今16年12月期業績予想は、売上高が22億7000万円(前期比10.9%増)、営業利益が10億9500万円(同20.8%増)、経常利益が10億4800万円(同16.4%増)、純利益が7億1700万円(同15.4%増)を見込んでいる。上場資金。配当は期末一括45円を予定している。

 株価は、10月17日に公開価格1450円を下回る1390円で初値をつけた後、同日高値1539円、同19日高値1637円と買い進めれている。同社は、株式会社日本政策投資銀行とあすかアセットマネジメント株式会社との合弁会社として株式会社あすかDBJパートナーズ設立。筆頭株主は日本政策投資銀行で、伊藤忠商事や三井住友信託銀行も大株主で、「ライフネット生命保険」や「ほけんの窓口」に出資した実績があり、有望な投資案件が豊富と推測される。歴史的な低金利で運用難になっており、機関投資家などが投資ファンドへの投資意欲を高めると見られており、事業環境は明るい。株式市況は底堅くなっており、IPO人気が続く可能性はある。(株式評論家・信濃川)

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