QBネットHDの第3四半期は売上高が8%増加など順調に推移

■出店の基礎になる研修生の増加などで先行費用あるが通期で営業増益の見通し

 キュービーネットホールディングス(QBネットHD)<6571>(東1)が15日に発表した2018年6月期・第3四半期の連結決算(17年7月~18年3月累計・IFRS:国際財務報告基準)は、既存店の売上高が3月まで9か月続けて前年同月を上回るなど好調に推移し、売上高に相当する売上収益は142億2100万円(前年同期比8.2%の増加)となった。

■介護施設などから「訪問理容」のニーズが高まりこうした分野への拡大も計画

 「10分間の身だしなみ」などで知られる低価格・短時間。高利便性のヘアカット理容室「QBハウス」などを展開し、18年3月、東証1部に直接上場した。

 営業利益は11億1300万円(同12.5%減)となったが、これは、上場にともなう関連費用のほか、従業員への期末手当を期末一括計上から分割計上する方式に改めたこと、国内3か所目の研修施設が稼働して研修生が増え、研修中のロジス育成人件費(給与など)も増加したこと、などが主因。「ほぼ想定通り」(代表取締役・北野泰男社長)とし、純利益は7億4300万円(同15.5%減)となった。

 理容研修生の増加と育成は費用として営業利益に現れたが、「新規出店を拡大する上で最も重要なベースなので、こうした先行投資には、とりわけ重点を置いている」(北野社長)とした。

 国内の店舗数は順調に拡大しており、約20年前の97年6月末の4店舗から17年6月末には542店舗となり、18年3月末は548店舗となった(美容室風のサービスを行う新ブランド「Fass(ファス)」を11店舗含む)。ほかに、香港57店舗、台湾25店舗、アメリカ2店舗、シンガポール36店舗(キッズ店舗など含む)などを展開する。研修生の育成が進み次第、新規出店を積極化させる方針だ。介護施設などからは「訪問理容」のニーズが高まっているとし、こうした分野への拡大も計画している。

 今期・18年6月通期の業績見通しは、「第3四半期までほぼ計画通り順調なため据え置き」(北野社長)、売上高に相当する売上収益は190億9000万円(前期比6.2%の増加)、営業利益は17億1400万円(同14.1%の増加)、純利益は11億円(同7.5%の増加)とし、1株利益は91円67銭とした。(HC)

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■東京大学発スタートアップが開発、19自由度のヒューマノイドロボット  東京大学発スタートアップH…
  2. ■売却面積は約1.6倍に、総額1,785億円超の譲渡価額  東京商工リサーチは6月30日、2024…
  3. ■従来の検索では見つけられなかった本との出会いを創出  富士通<6702>(東証プライム)傘下の富…
2025年8月
 123
45678910
11121314151617
18192021222324
25262728293031

ピックアップ記事

  1. ■株主還元強化が市場の安心材料に  東京エレクトロン<8035>は8月1日、2025年3月期の業績…
  2. ■市場の霧が晴れ始めた、個別銘柄の好調が投資家を惹きつける  前週31日の植田和男日銀総裁の記者会…
  3. ■利上げか、現状維持か?日銀総裁の決断で明暗分かれる8月相場  日銀の金融政策を巡る不確実性が続く…
  4. ■選挙惨敗の石破首相に退陣要求、政局混迷の行方  まるで狂言の『乳切木』(ちぎりき)を観るようであ…
  5. ■九州地盤銘柄に割安感、福証単独上場企業にも注目集まる  東京エレクトロンやアドバンテストなどの半…
  6. ■参院選で与党過半数割れ、石破政権の行方不透明に  7月20日投開票の参議院議員選挙は、大手メディ…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る