アルコニックスの第1四半期は製造子会社の好調に加え、銅・アルミ原料、金属珪素等の取扱が増えたことで、増収増益

■同日、株主優待制度の導入と富士カーボン製造所の子会社化も発表

 7日に発表されたアルコニックス<3036>(東1)の第1四半期は、製造子会社の好調に加え、銅・アルミ原料、金属珪素等の取扱が増えたことで、増収増益となった。

 今19年3月期第1四半期連結業績は、売上高666億71百万円(前年同期比13.8%増)、営業利益20億18百万円(同18.9%増)、経常利益20億71百万円(同6.3%増)、純利益16億35百万円(同13.9%増)となった。

 第1四半期の概況としては、半導体製造・実装装置関連、自動車関連、めっき材料を中心とした国内外の製造子会社の業績が好調だったことに加え、商社流通分野においても銅・アルミ原料、金属珪素、電子材料等の取扱いが伸びたことで堅調に推移した。

 同社は、商社機能とメーカー機能を併せ持つ非鉄金属の総合企業として成長している。

■レアメタル・レアアースも、電子材料向け需要増加と市況上昇等により前年同期に比べ増収

 事業別の業績は、商社流通―電子機能材事業は、スマートフォン、タブレット端末向け部材は、一部の取扱品に在庫調整が入ったものの総じて堅調に推移した。また、二次電池関連部材、環境関連部材の需要も底堅く、チタン・ニッケル製品は欧州市場向けを中心に堅調に推移し、レアメタル・レアアースも、電子材料向け需要増加と市況上昇等により前年同期に比べ増収となった。この結果、売上高は225億48百万円(同34.1%増加)、セグメント利益は3億01百万円(同6.5%増加)となった。

■非鉄原料分野は、アルミ・銅等の非鉄市況が堅調に推移

 商社流通―アルミ銅事業は、建設・住宅用資材、空調関連部材は堅調に推移した。また、自動車部材はモデルチェンジを控え荷動きに一服感が見られた。また、飲料向けアルミ缶材料はペットボトル化の影響から取扱いが減少し、一部の有機EL向け部材の需要低迷等も減益要因となった。一方、非鉄原料分野は、アルミ・銅等の非鉄市況が堅調に推移し、主力のアルミ再生塊、銅スクラップ、金属珪素の取扱いが増加した。この結果、売上高は347億51百万円(同5.3%増加)、セグメント利益は4億01百万円(同1.2%減少)。

■製造―装置材料事業は利益倍増

 製造―装置材料事業では、めっき材料は北米、中国の両拠点における出荷が好調に推移し、同事業における利益は前年同期に比べ大きく増加した。また溶接棒の出荷並びに溶射施工の受注は自動車向け需要の増加により堅調に推移した。一方、非破壊検査装置分野は、国内外の自動車産業、鉄鋼産業向け装置・消耗品の出荷がまとまり、同事業の収益は堅調に推移した。この結果、売上高は55億24百万円(同19.0%増加)、セグメント利益は3億32百万円(同114.1%増加)と倍増となった。

■精密切削加工部品は航空機部品、及び半導体製造装置向けを中心に好調に推移

 製造-金属加工事業については、半導体実装装置向け研削加工部品の出荷は堅調に推移したが、自動車向け試作部品の受注が前年同期に比べ減少したこと、及び本年2月に竣工した新工場の減価償却開始、繁忙に伴う労務費、外注費等の製造原価の増加が若干の減益要因となった。一方、精密切削加工部品は航空機部品、及び半導体製造装置向けを中心に好調に推移し、金属精密プレス部品においても国内自動車向け需要の増加により出荷が増加した。この結果、売上高は52億19百万円(同3.6%増加)、セグメント利益は10億38百万円(同5.6%減少)となった。

 以上のように、商社流通―アルミ銅事業、製造-金属加工事業は増収ながら減益となったものの、製造―装置材料事業の利益が倍増したことから、順調なスタートとなった。

 また、同日、株主優待制度の導入と富士カーボン製造所の子会社化を発表した。

 ちなみに、富士カーボン製造所の17年12月期の売上高は65億67百万円、営業利益6億円であった。

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