【会社近況】平山HD:IoTとRPAによる新サービスを開始し今期も2ケタ増収益を計画

◆「簡易課税差額収入」今期だけでなく来期も上乗せになる可能性◆

 平山ホールディングス(平山HD)<7781>(JQS)の業績が快調だ。インソーシング(製造請負)事業や技術者派遣事業などを展開し、2018年6月期の連結業績は、人手不足による賃金単価の改定や受注の拡大などにより、売上高が前期比16.8%増の135億9300万円と連続最高を更新し、営業利益は同5.4倍へと急回復した。

 続いて、今期・19年6月期も、単価改善などが続く見通しで、連結売上高を前期比47.1%増の200億円、営業利益を同39.9%増の3億円と計画する。「製造派遣を中心に既存事業の増産・拡大が続いているので、新規取引先の開拓に集中できる」(平山善一社長)とし、一段と積極展開できる環境になっているようだ。

■「現場改善支援サービス」JIG‐SAWと協業し技術変革を先取る

 中長期経営戦略のひとつとして取り組んでいるのが、IoT(すべての機器や設備がネットで結ばれる社会)とRPA(ロボットによる業務の自動化・効率化)を活用した事業連携強化による収益性の向上だ。

 2020年にも実用化される見込みの「5G」(第5世代移動通信システム)は、通信速度が現行の「4G」の約100倍とされ、スマートフォンの通信機能が格段に向上するだけでなく、「様々な家電製品やオフィスの事務機器、工場の機械なども『携帯端末』になってくる」(日経産業新聞8月27日付より)。

 こうした技術変革を先取る形で、平山HDは8月6日、AI(人工知能)制御によるIoTデータコントロールサービスなどを展開するJIG‐SAW(ジグソー)<3914>(東マ)との協業開始を発表した。

 すでに、平山HDでは、TPS(Toyota Production System:トヨタ生産方式)を基盤とした独自の「現場改善コンサルティングサービス」を国内外で提供しており、これにJIG-SAWの「製造業向けIoTデータ管理サービスLoop/Loop Edge」、および「工場データ状態監視サービス」などを組み合わせる。そしで、生産状況と設備稼働状況の見える化などを実現し、主に、大企業に比べてIoT導入のノウハウに乏しい中堅・中小の製造業向けに「現場改善支援サービス」を提供する。現場の品質と生産性向上に関する支援にとどまらず、継続的な現場改善までを支援するという。

■業界有力企業の連結化などにより来期も「簡易課税差額収入」の可能性が

 既存事業の分野であるインソーシング(製造請負)や技術者派遣事業でも、17年度に株式を取得したFUNtoFUN(ファントゥーファン)は、大手マヨネーズメーカーグループなど、食品・小売り業界向けの業務請負や職業紹介を行っており、事業の対象となる業界が一挙に食品製造や小売り分野にも拡大する。IoTによる支援サービスも一挙に広がる可能性が出てきた。

 今期・19年6月期の連結業績見通しは、売上高をFUNtoFUN社の寄与も含めて200億円(前期比47.1%増)とし、営業利益は3億円(同39.9%増)、純利益は4億円(同14.9%増)、1株利益は228円46銭とする。

 FUNtoFUN社の連結化とともに、グループ企業の再編も並行して行う計画としており、調査筋の中には、会社合併にともなう「消費税等簡易課税差額収入」が今期だけでなく来期も計上される可能性を予想する声がある。(HC) 

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