インテージホールディングスは22年6月期減益予想だが保守的

(決算速報)
 インテージホールディングス<4326>(東1)は8月4日の取引時間終了後に21年6月期連結業績を発表した。需要が回復基調となって増益だった。22年6月期は成長投資などで減益予想としているが保守的だろう。上振れを期待したい。なお自己株式取得も発表した。株価は年初来高値圏でモミ合う形だ。目先的には減益予想を嫌気する可能性もあるが、自己株式取得を評価して下値限定的だろう。

■21年6月期は増益、22年6月期は減益予想だが保守的

 21年6月期連結業績(20年7月~21年6月)は、売上高が575億58百万円、営業利益が44億21百万円、経常利益が50億81百万円、親会社株主帰属当期純利益が33億72百万円だった。配当は5円増配の35円(期末一括)とした。

 決算期変更で前期の20年6月期が15ヶ月決算のため、参考値として前年同一期間(19年7月~20年6月)との比較で見ると、売上高は3.6%増収、営業利益は20.8%増益、経常利益は38.4%増益、親会社株主帰属当期純利益は2.0倍増益だった。一部で新型コロナ影響を受けたが、需要が回復基調となり、リモートワーク主体の働き方による効率化なども寄与した。

 マーケティング支援(消費財・サービス)は3.0%増収で27.7%増益、マーケティング支援(ヘルスケア)は8.9%増収で39.8%増益、ビジネスインテリジェンスは3.4%減収で54.7%減益だった。

 四半期別に見ると、第1四半期は売上高127億14百万円で営業利益2億66百万円、第2四半期は売上高146億16百万円で営業利益16億19百万円、第3四半期は売上高177億92百万円で営業利益25億59百万円、第4四半期は売上高124億36百万円で営業利益23百万円の赤字だった。

 22年6月期連結業績予想は売上高が21年6月期比5.1%増の605億円、営業利益が23.1%減の34億円、経常利益が21.3%減の40億円、親会社株主帰属当期純利益が17.0%減の28億円としている。配当予想は21年6月期と同額の35円(期末一括)としている。

 需要が回復基調だが、新型コロナ感染再拡大による不透明感や成長投資の影響などで減益予想としているようだ。ただし保守的だろう。上振れを期待したい。

 なお自己株式取得(上限100万株・12億円、取得期間21年8月5日~22年6月30日)を発表している。

■株価は下値限定的

 株価は年初来高値圏でモミ合う形だ。目先的には減益予想を嫌気する可能性もあるが、自己株式取得を評価して下値限定的だろう。8月4日の終値は1526円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS70円06銭で算出)は約22倍、時価総額は約617億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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