加賀電子は反落も業界第2位躍進のM&A効果で次期中期経営計画への期待が底流し下げ渋り

 加賀電子<8154>(東1)は、前日15日に28円安の2428円と反落して引けた。米国のムニューシン財務長官の円安牽制発言などを嫌って日経平均株価が、423円安と大幅反落し、約2カ月ぶりの安値に沈むなか、8月21日につけた年初来安値1967円から大きく底上げしている同社株にも、目先の利益を確定する売り物が出た。ただ25日移動平均線を前に下げ渋る動きもみせており、下値には依然として今年9月10日に発表した富士通エレクトロニクス(横浜市港北区)の株式取得(取得総額約205億円)・子会社化を手掛かりに、エレクトロニクス商社業界の第2位に躍進することを見直して、成長戦略が加速するとして割安修正買いが続いた。さらに同社は現在、今2019年3月期を最終年度とする「中期経営計画2018」を推進中だが、今年11月上旬の今期第2四半期(2018年4月~9月期、2Q)累計決算開示時に次期中期経営計画の発表も予定しており、期待を高めて買い材料視されている。

■独立系とメーカー系との経営融合で5000億円級の企業グループが誕生

 富士エレクトロニクスは、富士通<6702>(東1)のメーカー系半導体商社で、2018年3月期実績の売り上げは、2587億円と業界4位で、業界7位の加賀電子の売り上げ2359億円と単純合算すると4946億円と業界第2位に躍進し、しかも業界トップとは僅差に詰め寄り5000億円級の企業グループが誕生することになる。しかも今回の経営統合は、独立系の加賀電子とメーカー系の富士エレクトロニクスとの強味を融合、デバイス販売の営業拠点を国内に3000社、海外に500社展開する富士エレクトロニクスの商社ビジネスをさらに拡大させ、加賀電子のEMS(生産受託)ビジネスの成長、質的向上につがるなど大きなシナジー効果が期待される。
 一方、同社が目下推進中の中期経営計画は、収益基盤の強化、新規事業の創出、経営基盤の強化を基本に、3年間で合計50億円のM&A戦略も盛り込み、2015年3月期実績の売り上げ2551億円、営業利益76億円を最終年度に同じく2900億円、100億円に高成長させることを目標としてきた。今2019年3月期は、この最終年度に当たり、同社は、今年11月上旬の今期2Q累計決算開示時に新たな次期中期経営計画とともに、今期期初に合理的な算定が困難で未定とした今期通期予想業績を発表する見込みである。これまでの数々のベンチャー投資による新規分野開拓に加え今回の大型M&Aでいっそうビジネス基盤を拡充させ、中長期ビジョンではわが国業界NO.1、世界に通用する企業として持続的な成長を目指しているだけに、今期通期業績動向に加え次期計画の目標業績がクローズアップされることになる。

■ダブルのゴールデン・クロスで上昇トレンド入りを鮮明化し年初来高値にキャッチアップ

 株価は、米中貿易戦争エスカレートが打撃となった全般相場急落に巻き込まれて年初来安値1967円へ調整し、前期実績ベースでのPER8倍台、PBR0.7倍、配当利回り3.55%は売られ過ぎとして底上げ、中間配当の配当権利取りと富士エレクトロニクスM&Aが加わって2660円まで35%高した。テクニカル的にも、短期線の5日移動平均線が25日移動平均線を下から上に抜くゴールデン・クロスを示現し、さらに上昇転換した25日移動平均線が今度は75日移動平均線を下から上に抜くダブルのゴールデン・クロスを示現し上昇トレンド入りを鮮明化しており、足元のスピード調整を乗り越え年初来高値3160円へのキャッチアップを強めよう。(本紙編集長・浅妻昭治)

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