【編集長の視点】アンビスは続落も2Q好業績をテコに通期業績の上ぶれ期待は変わらず下値買い交錯

アンビスホールディングス<7071>(JQS)は、前日15日に65円安の3220円と4営業日続落して引けた。日経平均株価が、新型コロナウイルス感染症の「第2波」懸念で774円安と4月1日以来の大幅安で3営業日続落したことから、今年5月18日につけた株式分割権利落ち後安値3070円から600円幅のリバウンドをしていた同社株にも目先の利益を確定する売り物が続いた。ただ、25日移動平均線水準では下げ渋る動きをみせており、今2020年9月期第2四半期(2019年10月~2020年3月期、2Q)累計業績の高利益進捗率を手掛かりに、引き続き9月期通期業績の大幅上ぶれ期待を高め下値買いが交錯した。テクニカル的にも、この日の続落にもかかわらず5日移動平均線が25日移動平均線を上回るミニ・ゴールデンクロス(GC)をキープし、上昇トレンド転換を強く示唆しているとしてサポート材料視されている。

■下期も6施設を新規開設し好立地を活かし稼働率も順調

 同社の今期2Q累計業績は、同社が昨年10月9日に新規株式公開(IPO)され、2Q決算が初作成となるため前年同期比較はないが、9月期通期業績対比の利益進捗率は、66%~67%と目安の50%を上回った。医療施設型ホスピス「医心館」を計画通りに3施設開設して合計23施設、定員累計が966名に拡大、既存施設の稼働率も80~85%と高水準で推移したことなどが寄与した。

 今9月期通期業績は、売り上げ83億8600万円(前期比56.2%増)、営業利益15億円(同64.9%増)、経常利益13億9000万円(同60.2%増)、純利益10億300万円(同66.4%増)と大幅続伸を予想し、連続して過去最高を更新する。下期も八戸、仙台長町を含めて6施設の「医心館」を新規開設、通期開設数は、前期の7施設から9施設に増加し、期末施設数も29施設(前期末20施設)、定員累計1270名(同841名)に拡大し、新型コロナウイルス感染症に対しても本社に「対策本部」を設置して入居者・職員の安全・安心に万全を期し、各施設の好立地が稼働率の向上につながることなどが要因となる。このため9月期通期業績の上ぶれ期待が高まっており、東洋経済会社四季報最新号は、純利益を11億円と観測している。

■ミニGC示現で分割落ち後高値を通過点に最高値の分割勘案理論値を目指す

 株価は、今年3月末に株式分割(1株を2株に分割)の権利を7730円で落とし、落ち後高値3875円から新型コロナウイルス感染症のパンデミック(世界的な大流行)による世界同時株安に巻き込まれて3200円まで調整し、売られ過ぎとして3690円までリバウンドした。同戻り高値後は、2Q累計決算発表時の今9月期通期予想業績据え置きが市場コンセンサスを下回るとして落ち後安値3070円まで下ぶれ、業績上ぶれ期待とともに底上げ、6月8日の「医心館 新潟Ⅱ」の新規オープンとともに3650円まで上値を伸ばしミニGCを示現して上昇トレンド転換を示唆した。目先売り一巡後に分割落ち後高値3875円を通過点にまず分割権利落ち前につけた上場来高値8710円の分割勘案理論値4355円を目指そう。(本紙編集長・浅妻昭治)

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