綿半HDは連続の最高業績を手掛かりに売られ過ぎ訂正買いが再燃し急反発

 綿半ホールディングス<3199>(東1)は、前日7日に56円高の2222円と年をまたいで3営業日ぶりに急反発して引け、12月25日に突っ込んだ昨年来安値1926円からの底上げを鮮明化した。日経平均株価が、米中貿易摩擦の激化、米国景気の減速懸念などで1年8カ月ぶりの安値まで売られる全般相場の急落が波及し、同社株も、4本の長大陰線を引いて昨年来安値まで600円超安となったが、日経平均株価が、477円高と反発しフシ目の2万円を回復したことから、今2019年3月期業績が、連続して過去最高を更新することを手掛かりに売られ過ぎ訂正買いが再燃した。テクニカル的にも、600円超安場面で開けた窓を長大陽線を引いて埋め下げ幅の半値戻しをクリアしており、一段のリバウンド幅拡大が期待されている。

――――可児店オープンなどの新店効果にEDLP戦略の経営効率化が上乗せ――――

 同社の今2019年3月期業績は、売り上げ1028億1000万円(前期比0.4%増)、営業利益24億4100万円(同4.1%増)、経常利益24億400万円(同4.1%増)、純利益15億3600万円(同3.6%増)と予想され、4期連続の過去最高更新となる。同社はスーパーセンター事業と建設事業、貿易事業を展開しており、主力のスーパーセンター事業では、2017年12月に閉店した三鷹店の影響や昨夏の台風上陸などによる天候不順のマイナスがあったが、昨年7月の富士河口湖店のリニューアルオープンや同11月の岐阜県初の「綿半スーパーセンター可児店」の開業などの新店舗効果に加え、EDLP(エブリデー・ロー・プライス)戦略をより強化し、チラシの発行を月3回から2回、さらに1回に減少させ、EDLC(エブリデー・ロー・コスト)戦略でも、共同仕入れ会社ホームエイドを設立しコスト削減を進めてカバーする。また建設事業でも、選別受注を強化するとともに、業界初の国土交通大臣認可の6層7段の大型自走式立体駐車場やドローンによる屋根診断技術などを提案、貿易事業でも、取扱い原薬数倍増を目指し、インドやメキシコの原料調達拠点を拡充させたことなどが寄与する。

 この好業績に伴い株主還元策も積極継続する。配当は、前期に創業420周年の記念配当5円を上乗せして年間32円(前々期実績26円)と大幅増配したが、今期は普通配当として年間32円を継続、普通配当は連続の増配となる。また株主優待制度も拡充、共通ポイントカード「ブルーカード」のポイント数を従来の2倍から3倍に引き上げ、贈呈する優待商品(2000円相当)も、信州特産品などより充実させた。 

――――急落時に開けた窓を埋めて「半値戻し」を達成し「全値戻し」を加速――――

 株価は、今期第2四半期累計業績が期初予想をやや下ぶれたことからつけた2292円安値から可児店オープン、インターネット通販会社アベルネットの連結子会社化などの好材料が続いて2750円の戻り高値までリバウンドするなど2000円台での500円幅のレンジ相場を続けたが、全般相場の値崩れに巻き込まれ、年初来安値1926円まで急落した。この安値水準はPERは12倍台、PBRは1.3倍と売られ過ぎは明らかで即、2275円までリバウンドした。25日移動平均線からはなお8%超もマイナスかい離と下げ過ぎを示唆しており、急落時に開けた窓を埋め半値戻しを達成したここからは、売り長で逆日歩のつく信用好需給から売り方の買い戻しも加わって、相場格言の「半値戻しは全値戻し」通りにまず急落前の2500円台奪回を加速させ、さらに株主優待権利落ち前の3100円台回復を目指そう。(本紙編集長・浅妻昭治)

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