【編集長の視点】日本マニュファクチャリングサービスは業績上ぶれ期待を高め電源事業M&Aの現実買いも加わり急反発

編集長の視点

日本マニュファクチャリングサービス<2162>(JQS)は、10円高の407円と4日ぶりに急反発して始まり、400円固めの2番底から上値を窺う動きを強めている。今年3月27日にパナソニック<6752>(東1)と基本合意した一般電源事業のM&Aが10月1日に完了し、業績上ぶれ期待を高める現実買いが増勢となっている。バリュー的にも低PERで、テクニカル的にも12月11日に日足で上放れを示唆する長大な陽線包み足を示現したことも買い手掛かりとなっている。

■国内高圧電源でトップとなりグループ年間売上高は650億円に拡大

同社は、製造請負・派遣を行うヒューマンソリューション(HS)事業と電気機器の受託生産を行うエレクトロニクスマニュファクチャリングサービス(EMS)事業の国内有数企業で、2013年10月に日立メディアエレクトロニクスから一部事業を譲り受けたのに続き、今年10月1日にパナソニックから一般電源事業を譲り受けたことから今3月期第4四半期(4Q)からパワーサプライ(PS)事業を新規事業としてスタートさせた。この積極的なM&Aにより国内高圧電源シェアはトップとなり、業績的にはパナソニックからの事業譲り受けの貢献度が高い。譲り受けた事業の2014年3月期の売り上げ実績は、約154億円と日本マニュファクチャリングサービスの今2015年3月期予想売り上げ488億円の3割超にも達し、パナソニックから引き継ぐ取引先は、海外111社、国内90社の約200社と営業機会が拡大するためだ。

同社は、今年10月20日に今3月期第2四半期(2Q)累計業績を上方修正したが、3月通期業績は期初予想を据え置き、売り上げ488億円(前期比16.5%増)、経常利益5億1000万円(前期は1億7500万円の赤字)、純利益3億2000万円(同50.7%減)と見込まれているが、PS事業が、年間フル寄与した場合、同社の年間売り上げ規模は、一気に約650億円に拡大するだけに、今期業績の上ぶれや来期業績の押し上げ要因になると期待されている。なお今期純利益が減益転換するのは、前期にHS事業の子会社株式を追加取得して負ののれん発生益約11億円などを計上しこれが一巡するためで、実質は増益となる。

■日足で陽線包み足を示現しPER11倍台、PBR0.8倍の割安修正へ

株価は、パナソニックからの事業譲り受けで年初来高値515円まで急伸し、その後の調整安値360円から2Q累計業績上方修正で474円の戻り高値をつけ、400円台出没で2番底を固める動きを続けてきた。12月11日には日足の長大陽線包み足も示現しており、M&Aの現実買いでPER11倍台、PBR0.8倍の割安放置を修正し、高値奪回に再発進しよう。(本紙編集長・浅妻昭治)

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