ヨコレイは2期ぶりの最高業績更新を手掛かりにバリュー株買いが拡大して3連騰

 ヨコレイ(横浜冷凍)<2874>(東1)は、前日8日に10円高の943円と3営業日続伸して引け、昨年12月25日に突っ込んだ昨年来安値827円からの底上げを鮮明化させた。今年11月14日に発表した今2019年9月期業績が、2ケタの増益転換して2期ぶりに過去最高を更新すると予想されていることを手掛かりにディフェンシブ関連のバリュー株買いが増勢となった。テクニカル的にも、昨年来安値への急落時に開けた窓を埋めて急落分の7割超を取り戻しており、一段の底上げに弾みがつくと期待されている。

■新設の物流センターが稼働率をアップさせ食品販売事業はV字回復

 同社の今2019年9月期業績は、売り上げは1500億円(前期比12.7%減)、営業利益58億円(同20.2%増)、経常利益60億円(同11.7%増)、純利益37億円(同10.7%増)と予想され、純利益は、過去最高(33億6000万円・2017年9月期)を2期ぶりに上回る。主力の冷蔵倉庫事業は、新設した東京羽田物流センターなどの新設した各物流センターが順調に稼働率を向上させ売り上げ2744億円(同4.2%増)と伸び、営業利益も、トラック予約受付システムを本格導入するなど物流効率化を推進することなどから62億円(同2.2%増)と続伸する。

 一方、食品販売事業は、為替変動対策の一環としてノルウェーから欧米への輸出事業の取引形態を変更した影響で売り上げが1225億円(同12.7%減)となるが、営業利益は、前期業績を下押したエビ、イカ、カニなどの高値推移によるコスト増加が一巡し、ノルウェーのトラウト養殖など資源開発事業が順調に推移することなどから25億9500万円(同2.15倍)とV字回復する。

なお同社は、今期も新規物流センターの新設を進めるなど成長戦略を積極化、昨年11月15日に名古屋港に名港物流センターを竣工させ、12月3日にはつくば物流センター(茨城県つくば市)の起工式を行っており、中期経営計画では、2020年9月期に売り上げ1600億円、営業利益70億円、経常利益70億円、純利益45億円を目指している。

■PBRは0.7倍と割り負け大阪万博関連株人気再燃もオンして昨年来高値を目指す

 株価は、配当権利落ちと世界同時株安の直撃でつけた857円安値から売られ過ぎとして900円台を回復して25日移動平均線水準を固め、ここに今期業績の過去最高更新予想と、同社の夢洲物流センターが立地する大阪市此花区の夢洲で大阪万博が55年ぶりに開催されることが決定したことによる関連株人気がオンして1000円台にタッチしたが、12月末の日経平均株価の1万9000円割れに巻き込まれ25日線を下抜き昨年来安値827円に突っ込んだ。足元では、この急落時に開けた窓を埋めて急落幅の7割強を取り戻し25日移動平均線をクリアした。PERは14倍台、PBRに至っては0.71倍と割り負けており、大阪万博関連株人気再燃もオンして昨年来高値1206円を目指そう。(本紙編集長・浅妻昭治)

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