【編集長の視点】フェンオールは追撃材料の連続増配で高配当利回り買いが拡大して3連騰

編集長の視点

 日本フェンオール<6870>(東2)は、45円高の1597円と3営業日続伸して始まっている。前週末18日大引け後に今12月期期末配当に東証第2部市場変更の記念配当5円を上乗せする連続増配を発表、権利付き最終日の12月25日に向け権利取りの買い物が増勢となっており、合わせて東証第2部市場変更に続く追撃材料として一段の割安修正期待を高めている。

■普通配当の増配に東証2部市場変更記念配当5円を上乗せし年間52円に連続増配

 同社の今12月期配当は、期初に普通配当として45円を予想していたが、株主に対する継続的・安定的な利益還元を経営上の重要政策と位置付け、可能な範囲で積極的は利益還元を実施する基本方針に基づき、この普通配当を47円に引き上げるとともに、東証2部市場変更の記念配当5円を上乗せして年間配当を52円(前期実績45円)に増配する。前期配当も、今年2月の前期業績の開示時に純利益が過去最高を達成したとして普通配当30円に特別配当15円を上乗せして45円(前々期実績40円)としており、連続増配となる。

 この前提となる今12月期業績は、売り上げ208億200万円(前期比5.6%増)、経常利益17億100万円(同6.5%増)、純利益10億8600万円(同7.6%増)と続伸を予想、純利益は連続して過去最高を更新する。主力の防災設備関連工事で比較的利益率の高い売り上げが多く、半導体製造装置向け熱板やプリント基板実装装置が順調に推移、円安も寄与することが要因となっている。同社の今期業績は、今年7月に発表した第2四半期(2Q)累計業績が、期初の減益転換予想から上ぶれ続伸して着地したものの、12月期通期業績を据え置いており、2Q累計業績と同様に上ぶれ着地期待も強い。東洋経済会社四季報最新号は、今12月期純利益を11億8000万円と観測している。

■配当利回りは3.2%、PERは8倍台とインカム・キャピタルゲイン狙いの両建て妙味

 株価は、今年2月の前期・今期配当の45円発表とともに高配当利回り買いがスタートして年初来高値1779円まで31%高し、世界同時株安に巻き込まれてほぼ往って来いの1360円まで調整、東証2部市場変更で1712円まで戻したあと、足元では、高値調整幅の半値戻し水準でもみ合っていた。期末配当一本の配当利回りは、3.25%と市場平均を大きく上回り、PERは8倍台と割安であり、権利付き最終日25日に向けインカムゲイン・キャピタルゲイン狙いの両建て投資妙味を示唆している。(本紙編集長・浅妻昭治)

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