【編集長の視点】竹内製作所は連日の高値、業績再上方修正で最高純益を更新し割安株買いが増勢

編集長の視点

竹内製作所<6432>(東1)は、150円の5830円と続急伸して始まり、連日の年初来高値更新となっている。前日8日大引け後に4月10日予定の2月期決算の発表に先立って、前2015年2月期業績を昨年10月の上方修正に続いて再上方修正、純利益が、一気に8期ぶりに過去最高を更新することを評価して割安株買いが増勢となっている。同社は、今年3月16日にジャスダック市場(スタンダード)から東証1部に市場変更されており、東証株価指数算入に伴う需給好転思惑もフォローしている。

■欧州市場向けの建設機械の販売が伸び円安進行も寄与

前2015年2月期業績は、昨年10月の上方修正値より売り上げを28億9300万円、経常利益を26億900万円、純利益を17億8400万円それぞれ引き上げ、純利益は、76億9400万円(前々期比66.3%増)と大幅続伸し、2008年2月期の過去最高(64億8500万円)を更新する。建設機械の販売台数が、欧州市場で増加し、外国為替レートも、前期第3四半期以降の想定の1ドル=104円より円安で推移、営業外収益で14億3000万円の為替差益を計上することが、再上方修正要因となった。

続く今2016年2月期業績も、続伸の可能性は強く、東洋経済会社四季報最新号で純利益が82億6000万年と観測されているだけに、4月10日の決算発表時に今期業績のガイダンス(予想)が注目される。

■PERは12倍台と割安で7年半ぶりの6000円台乗せも通過点

株価は、昨年10月の前期業績の上方修正を手掛かりに5190円の高値をつけ、調整安値4260円からは東証1部への市場変更承認と記念増配を材料に5250円まで買い進まれ、3月16日の市場変更とともに年初来高値へと上値を伸ばした。前日8日は国内証券が、来期に過去最高純利益を更新すると観測して投資判断と目標株価を新規に最上位で格付け、株価が急伸しただけに高値で利益確定売りも交錯している。ただ、この最高純益が1期早まり、前期実績ベースでのPERは12倍台と割安が顕著となるだけに、2007年11月以来の7年半ぶりの6000円台乗せも通過点となる見込みだ。(本紙編集長・浅妻昭治)

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