【新規上場(IPO)銘柄】Chatworkは仕切り直しの展開を期待、公開価格を下回り買い好機

株式市場 IPO 鐘

Chatwork<4448>(東マ)は、9月24日に東京証券取引所マザーズに上場した。同社は、「働くをもっと楽しく、創造的に」というコーポレートミッションのもと、業務の効率化と会社の成長を目的としたメール・電話・会議に代わるビジネスコミュニケーションツール「Chatwark」を提供することにより、国内企業を中心とした企業の働き方改革の実現や労働生産性の向上に貢献。232,000社(2019年8月末日時点)の働き方を変えているが、「Chatwark」のサービス拡大並びに企業成長に努めている。


 具体的な販売普及戦略としては、フリーミアム(営業を介さず当社サービスサイトから顧客自らオンラインで申し込む)で獲得した無料ユーザーの課金化、アップセル等様々な販売施策による単価向上を促すようなサービス品質の向上及び連携サービスの充実を図ると共に、直販部隊の営業人員増員による販売体制強化、提携代理店数の拡大による販売網の拡充を行っている。

 今2019年12月期第2四半期業績実績は、売上高8億5300万円、営業利益5500万円、経常利益5600万円、純利益4600万円に着地。労働生産性の向上や、企業の長時間労働の是正、「働き方改革」等を背景に、新規顧客獲得のためのWebマーケティング活動と営業活動の強化、既存サービスの機能強化を推し進め、主力サービスである「Chatwark」の取引先が順調に拡大している。

 今20年12月期業績予想は、売上高17億7000万円(前期実績13億0100万円)、営業損益6700万円の黒字(同1億8600万円の赤字)、経常損益5000万円の黒字(同1億6300万円の赤字)、最終損益5600万円の黒字(同1億1000万円の赤字)の黒字転換を見込む。上場で調達資金は採用費や人件費、広告宣伝費、サーバー費用などに充てる計画で、年間配当は無配を予定している。

 株価は、上場初日の9月24日に公開価格の1600円を7.5%下回る1480円で初値をつけ、同日高値1521円にとどまり、10月2日安値1174円まで売られた後、上昇に転じている。現状の注力業種は、士業、介護、建設の業種だが、今後、製造、小売、医療に業種展開を拡大する計画で、来20年12月黒字幅の拡大が観測されており、ここから仕切り直しの展開が期待できることから、公開価格を下回る水準は、買い好機となりそうだ。(株式評論家・信濃川)

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■地域と共に築いた「鮪解体ショー」で世界一の舞台へ  銚子丸<3075>(東証スタンダード)は、同…
  2. ■速乾・吸水機能を備えたブラ&ショーツ、11月7日から応援購入受付  グンゼ<3002>(東証プラ…
  3. 日産自動車 日産 NISSAN
    ■経営再建計画の一環として保有資産を最適化、20年間の賃貸借契約で本社機能維持  日産自動車<72…
2025年12月
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
293031  

ピックアップ記事

  1. ■売り方手仕舞いで需給改善が後押し  師走相場では、リスクの大きい銘柄であっても、逆日歩のつく信用…
  2. ■師走相場は最終レースさながら、勝ち負け分ける「掉尾の一振」に熱視線  師走である。礼節一点張りの…
  3. ■金利環境改善が銀行株に追い風、逆張りの買いも有力視  今週の当コラムは、銀行株に注目することにし…
  4. ■「トリプル安」も怖くない!?逆張りのバリュー株ローテーションからは銀行株になお上値余地  「神風…
  5. ■気温急低下がシーズンストック相場発進を後押し  今週のコラムでは、バリュー株選好の別の買い切り口…
  6. ■「押し」のAI株より「引き」のバリュー株選好で厳冬関連株の先取り買いも一考余地  「押してだめな…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る